昨年度、インカレと総理大臣杯でベスト8、関東社会人2部リーグ準優勝(1部リーグ昇格)など好成績を収めた日本大学サッカー部。今年3年目を迎える関東大学リーグ1部でのタイトル獲得へ向けて、部員たちの士気は高い。開幕直前、新チームを率いる植木颯主将に、その意気込みを聞いた。

  (取材:2025年4月3日)

−主将になるにあたって、心構えはできていましたか?

 

1年生の時から学年責任者を任されていたのですが、伝統的に3年生の学年責任者が次の主将になるという流れがありますし、昨年夏の大会の試合で1度、4年生が出場していた中でもキャプテンマークを巻かせてもらったことがあって…。その頃から「来年は自分が主将をやるんだな」ということを意識しながらやっていました。

 

−チームづくりについて、どう考えていますか?

 

サッカーを頑張るのは当たり前ですが、ピッチ外のところでも日大サッカー部として周りから見られているという認識を持ち、日大サッカー部の価値を上げるというところも意識していきたいと思っています。ピッチ内外の両方で、しっかり日大サッカー部として誇れるような人間、将来社会に出ても通用するような人間になることを目指してやっています。

−主将を務めていくうえで、今必要なことは何だと思いますか?

 

周りに伝える力ですかね。自分のプレーを頑張るのはもちろんですが、他の選手に指示を出したり、コミュニケーションをとってチームをより良い方向に導いていくための力というのが、今の自分にはまだ足りていないと思っています。チームスタッフの方からも、もっと周りを動かすように、もっと声を出すようにと常に言われています。今の4年生は少し人数が少ないですが、密にコミュニケーション取りながら、チーム力を上げていく必要があると思っています。

 

−昨年の熊倉弘貴主将(法学部卒)を見ていて感じたことは?

 

熊倉さんとは年間一緒にプレーさせてもらいましたが、本当に凄いなってずっと感じていました。最後の年間、主将としてチームを常にひっぱり続けていた姿を見ていたので、自分もあのようになりたいと思いますが、ちょっとレベルが高すぎて…まだまだ遠いです(笑)。

 

−個人として、これまでの3年間を振り返って思うことは?

 

1年生の時から試合に出させてもらいましたが、最初は上の先輩についていくだけ、ただ試合をこなしていくだけという感じでした。2年生になって、結果を出さないと本当の意味で上にいけないなと思うようになり、そこから結果を出すことを意識するようになりました。3年生では、1・2年生の時に比べて、得点を挙げるなど結果を残せるようになりましたが、それでも他大学の中心選手と比べれば全然数少ないので、まだまだ足りてないかなと思っています。

−昨年は、U-20大学選抜に選ばれアジア大学サッカートーナメントにも出場しましたが?

 

実際に海外のチームと戦ってみないとわからない部分を知ることができましたし、新しい気づきもありました。韓国の選手は、皆な体が大きくて日本のチームにはないフィジカルの強さがありましたが、その中でも自分のプレーが通用するなという実感を持つことができたので、いい経験だったと思います。

 

−今季のチーム目標をお願いします

 

関東大学リーグ戦でチャンピオンになることが一番ですが、夏のアミノバイタルカップも勝ち抜いて総理大臣杯、そしてインカレと、出場する大会すべてで優勝したいと思います。

 

−個人としての目標としては?

 

まずゴールやアシストの数で、去年までの自分を超えること。そして、このチームにとって絶対的な選手になり、「植木がいないと困る」と言われるような選手になりたいと思っています。

 

−期待しています。ありがとうございました。

第99回関東大学サッカーリーグ戦・1部リーグ。前節(5月3日)、桐蔭横浜大に3-2で競り勝った勢いで勝ち点1差の首位・筑波大に挑んだ本学だったが、0-2で敗戦。第6節(5月6日)を終えて筑波大が勝ち点を14に伸ばして首位を守る一方、本学は今季2敗目で勝ち点を伸ばすことができず2位から5位に後退した。だが、リーグ戦は夏のブレイクを挟んで11月までの長丁場。桐蔭横浜大戦で今季初ゴールを決めた植木主将をはじめ、リーグトップの得点を挙げている攻撃力を軸に、今後の巻き返しを期待したい。

Profile

植木 颯[うえき・そう]

2006年生まれ。愛知県出身。日大藤沢高卒。経済学部4年。横浜F・マリノス ユース追浜を経て神奈川の強豪・日大藤沢高へ進み、1年次からレギュラーを務める。‘23年はU-20全日本大学選抜に選出されアジア大学サッカートーナメントで2試合に出場(優勝)。

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