日本大学大学院危機管理学研究科

研究科長メッセージ

Message

共に創る,新しい危機管理学

私たち人類は今,重大な岐路に立たされています。地球規模の気候変動のもとで,先進国を中心に少子高齢化が急速に進展し,新型コロナウイルスのような新感染症がパンデミックを引き起こし,グローバル・リスクとなって様々な危機が世界を襲っています。

そんな中,欧州ではロシア軍によるウクライナ侵攻により戦争状態が続き,トルコとシリアを襲った大地震のように,大規模化した自然災害が市民生活を襲い,多くの難民を生み出しています。新しいイノベーションである,AIやビッグデータ,ロボティクス,ドローンのようなテクノロジーが新たなデジタル・リスクを生み出し,利便性をもたらすはずの社会に新たな脅威をもたらしています。そうした多様化するリスクに,私たち人類はどのように向き合い,生きていくべきなのでしょうか。

令和5年,日本で初めての政策科学系の大学院危機管理学研究科として誕生したのがこの日本大学大学院危機管理学研究科です。この危機管理学研究科が追究する新しい「危機管理学」とは,研究対象として自然災害や大規模事故,テロリズム,戦争紛争,サイバーセキュリティ,感染症パンデミックなどあらゆる危機を対象とする「オールハザード・アプローチ」を採用しながら,その研究手法として法律学や政治学,社会学,経済学,心理学といった社会科学系を中心とした学際的アプローチによって研究する,極めて実践的かつ応用的な総合科学です。危機管理学の4機能モデルである,①インテリジェンス,②セキュリティ,③ロジスティクス,④リスクコミュニケーションを中心に,より高度な危機管理学の確立を追究します。

この大学院修士課程において,より高度かつ専門的な研究教育活動により,その研究成果を社会に実装することで社会全体の安全・安心を高め,幸福な社会を創り出すことができます。「共に創る,新しい危機管理学」が,この日本大学大学院危機管理学研究科のキャッチコピーです。第1 期生となる皆さんとともに,新しい「危機管理学」を創り上げていきたいと思います。

危機管理学研究科長 福田 充 教授

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。1995年の阪神淡路大震災以降、危機管理学の研究を始める。コロンビア大学戦争と平和研究所客員研究員や内閣官房等で危機管理・国民保護に関する委員を歴任。