進化する「学生FD CHAmmiT」
学生の提案が授業に生きる
2年連続でオンライン開催

学び・教育
2021年12月24日

本学のより良い教育の在り方を学生、教職員が話し合う「学生FD CHAmmiT」が11月28日、日本大学会館にスタッフ48人が結集して開催された。同CHAmmiTは今年で連続9回目。昨年からオンライン形式で行われており、コロナ禍で学生同士の交流が制限される中、参加者は日ごろ感じている思いをネット上で自由闊達にぶつけ合った。全参加者は230人。規模もさることながら、学生主体の運営、提言とも前年の成功体験を踏まえて確実に進化。全学FD委員会の平山聡司プログラムワーキンググループリーダー(松戸歯学部教授)は講評で「昨年より深い洞察、より具体的な提案がなされた。100点満点のFD CHAmmiTでした」と述べた。

自由な意見交換が改善策にまとめ上げられていく

司会進行を務めた古家凌成さん(左、商4年)と曽山はるかさん(生物資源科2年)

司会進行を務めた古家凌成さん(左、商4年)と曽山はるかさん(生物資源科2年)

「FD CHAmmiT」のFDはFaculty Developmentの略。本学では、「教員が職員と協働し、学生の参画を得ながら組織的に取り組む諸活動」と定義。

「CHAmmiT」とは「CHAT」と「Summit」を合わせた造語。みんなで気軽に話をするという意味が込められ、話の場所として「しゃべり場」が設定される。

開会に際し、青木義男副学長は「自由な意見交換の中で何かに気付き、何かを学べる一日にしてほしい」とビデオメッセージでエールを送った。

今年のテーマは「アフターコロナ~IT化と大学教育~」。緊張を解きほぐすアイスブレイクでは「無人島に持って行くなら?」などが話題に。

セッションは三つ。「キャンパスライフのメリット・デメリット」で現在の授業への不満やいい点を総ざらいし、オンライン上の模造紙であるGoogleの「Jamboard」に書き込んでいく。

古家凌成さん(左、商4年)と曽山はるかさん(生物資源科2年)

古家凌成さん(左、商4年)と曽山はるかさん(生物資源科2年)

この内容を基に次のセッション「アフターコロナの日大の教育」に移行。昨年から「改善された項目」と現在「検討中」「実施不可」に提案を整理。

そしてこれまでの話し合いを踏まえた「IT化と大学教育~学部への提案」で各学部の教育に対する提案がまとめられていった。

セッションでは「対面が実施されてもオンラインの良さに浸って出てこない学生もいる」(経済)、「オンライン優秀授業賞を設ければ先生同士も切磋琢磨(せっさたくま)するのでは」(松戸歯)、「自分の心の不調に気付かない学生もいるので、大学からもっとアプローチしてほしい」などの意見が出されていた。

実現に手応え、授業にも主体的に

司会進行役を務める学生のファシリテーターおよびZoomの運営ホスト等48人は大講堂、2階、6階、9階の各会議室に分かれ、ヘッドホンを装着して36のグループセッションを小気味よいテンポで先導していく。

コアスタッフ代表の土屋さん(左)と竹田さん

コアスタッフ代表の土屋さん(左)と竹田さん

この日のために6月に準備を始めたコアスタッフ代表の竹田蘭丸さん(国際関係2年)は「オンライン授業が続く中で唯一他の学生とつながれる場だと思いました。昨年提案したオンライン留学プログラムが実現し、さらに拡充に向けて検討されていくなど手応えも感じます」と話す。

同じく代表の土屋怜王さん(経済2年)は「1年生と同じ生活は嫌でした。活動を通じて大学生活を俯瞰でき、授業にも主体的に臨めるようになりました。他の日大生にもぜひ味わってほしい」とFD活動に携わった半年間の充実ぶりを語る。