コンペ参加で得た団結力
都市計画のイロハを学ぶ

理工学部建築学科・都市計画研究室

学び・教育
2022年07月22日

理工学部・都市計画研究室の学生と泉山塁威助教が「マチミチコンペin大宮ウォーカブルシティ」(埼玉県さいたま市主催)のモデルプロジェクト部門で入賞した。
このコンペは、大宮駅周辺を舞台に歴史・文化等の大宮らしさを生かした「ウォーカブル」なまちづくりに向け、広く社会人や学生からアイデアを募ったもの。中長期的に実現を目指す「モデルプロジェクト部門」の応募数20点から、最優秀賞1点、優秀賞1点に次ぐ入賞に選ばれた。

歩行者中心の「ウォーカブル」なまちづくりを実地で学ぶ

「ウォーカブル」とは、歩きたくなるといった意味。人口減少や少子高齢化が進む中、商店街のシャッター街化など地域活力の低下が懸念されることを受け、歩行者中心のまちづくりを進め、都市の魅力を向上させる全国的な取り組みのキーワードとなっている。

泉山助教が研究室の学生に「都市計画は机だけではなく、街に出て実際の地域に携わりながらでないと学べない」と、卒業研究とは別にコンペ参加を勧めた。

建築学科3年小野寺瑞穂さん、川尻雄貴さん、竹中彩さん、橘奏絵さん、飛田龍佑さん、福井勇仁さん、水信夏穂さん、建築学科4年・一之瀬大雅さん、溝口萌さん(学年は全て当時)の9人は大宮駅周辺をフィールドワークし、街の魅力を探った。

回遊性をテーマにした提案

ウォーカブルなまちづくりの提案を図やイラストでまとめる研究室活動がを活かした提案書

ウォーカブルなまちづくりの提案を図やイラストでまとめる研究室活動がを活かした提案書

街を歩く中で、地域資源のポテンシャルを生かし切れていないと感じた。そこで目的地があることで歩きたくなる「回遊性」をコンセプトの中心に据え、商店街、サッカーチーム、氷川神社参道の3つをウォーカブルな空間でつなぐ「connect~“大宮らしさ”で生む繋がり~」を提案した。

実際に歩くと分かることがあった。氷川神社参道は自然豊かで心地よかったが「参道が長く疲れる」といったリアルな感想も出た。

そこで道路や商店街の整備といったハード面の提案の中に、イベントスペースや情報の発信拠点といったソフト面に着目した提案を入れることにした。

グループワークでまとめた提案

賞状は研究室の入り口に額装され飾られている

賞状は研究室の入り口に額装され飾られている

「グループワークが都市計画を進める上では基本です」

泉山助教は今回のコンペ参加への意図を話す。

学生自らが街を歩き、発見を形にして獲得した入賞。最優秀賞、優秀賞と「まだ上を目指すことができ、トライしたことが経験になりました」と泉山助教。

「最初は互いに遠慮していましたが、進めるうちに団結力が増してまとめることができました」、水信さんは振り返る。

泉山助教の研究室は今春で3期目。このコンペに参加した1、2期生はコロナ禍でオンライン授業が主の時期を過ごしたが、自分たちの足で見渡した街には新しい景色が広がっていた。