災害マネジメント領域
災害を未然に防ぎ対処する
災害マネジメント力向上を目指して
地震や津波などの自然災害や,原発事故や鉄道事故などの大規模事故をはじめ,さまざまな災害対策について学ぶとともに,災害時の避難,救急,救出活動,復旧・復興などを学びます。
概要
領域の特徴
災害マネジメント領域では,地震・津波,風水害,土砂災害などの自然災害や原発事故など,さまざまな災害対策について学ぶとともに,災害の事前対策,災害時の避難,救急・救援活動,事後の復旧・復興などについて学びます。過去の事例や災害発生メカニズム,法制度を学び,地域の防災活動の実情なども知ることで,実情に即した災害対策を論じることができるようになります。災害対策を多様な視点から学ぶことによって,行政機関や民間企業で活躍できる人材となります。
メッセージ
近年,地震・火山の活動が活発化し,異常気象により水害・土砂災害も激化しています。災害が甚大になればなるほど,公助には限界が生じるため,より重要となるのが自助と共助です。リスクは場所ごとに異なり,住民一人一人の生活パターンが異なることから,きめ細かい情報を得て各人が事前の備えを怠らず,避難行動のとり方も予め考えておく必要があります。自然災害は際限がなく想定外の事態が生じると考え,事前防災の充実,個人の防災意識向上,行政の対応強化等に貢献する災害マネジメント力の向上を期待しています。
授業説明
主な科目
- 災害対策論
- 災害情報論
- 自然災害論
- 災害と法
- 大規模事故論
- 地域防災論
- 災害史
- 消防救急論
- 事故責任法制
- 原子力と安全
- 復旧・復興論
- 感染症対策論
- 事業継続論(BCP・BCM)
履修モデル
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | |
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総合教育科目 |
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専門基幹科目 |
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専門展開科目 |
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副専攻科目ごとの履修モデルは別表を参照 |
※A 別表「総合科目一覧」からいずれか選択
※B 行政キャリア推奨
※C 企業キャリア推奨
※D 主専攻1領域から○の選択必修2単位を含む16単位を履修 領域の選択必修は2科目とることを推奨
副専攻科目:パブリックセキュリティ領域の場合
2年 | 3年 | 4年 | |
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副専攻科目 |
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他領域科目 |
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※ 副専攻の領域科目から10単位を選択
副専攻科目:グローバルセキュリティ領域の場合
2年 | 3年 | 4年 | |
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副専攻科目 |
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他領域科目 |
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※ 副専攻の領域科目から10単位を選択
副専攻科目:情報セキュリティ領域の場合
2年 | 3年 | 4年 | |
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副専攻科目 |
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他領域科目 |
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※ 副専攻の領域科目から10単位を選択
座談会「激化する自然災害にどう向き合うか」

- 木下
- 皆さんが災害マネジメント領域を選んだ理由は何ですか?
- 河野
- 東日本大震災をはじめとする大きな災害が多いことから災害対策に関心を持ちました。想定外の事態にどのように対処するのがよいのか,防災に関わる公的な仕事に興味があるので,災害マネジメント領域の勉強をしたいと考えるようになりました。
- 岸本
- 私は,平成26年8月の豪雨で広島が土砂災害に見舞われたのが印象的です。被害の大きかったところは歴史を振り返れば過去にも経験していることが多いと思います。昔の地名を調べたり,あるいは地形を見てもリスクがある程度読み取れるかもしれないと思います。そうした研究に興味があります。
- 安藤
- 最近水害が激しくなっているので防災の重要性が増していると思います。住民一人一人が適切な避難行動を取れるようにすることが大事だと思います。そのためには,どのように情報提供するか,どうやって誘導するかということが大切だと思い研究したいです。
- 荒木
- 私は鹿児島出身なので火山に興味がありますし,東日本大震災があり,水害も多発しているので,地震対策や水害も含めて防災に関わる公共の仕事に興味があります。
- 木下
- どういうことを重点的に研究したいと思っていますか?
- 河野
- 私は住民一人一人が防災を考えることが大事だと思うので,マイタイムラインを研究しています。平成27年の常総水害がきっかけとなって,普及し始めているところなので,大切なテーマだと思いました。
- 岸本
- 私は,平成30年西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市の真備地域の災害対策と地図の関係性を調べています。地図からリスクが読み取れるか,災害伝承が役に立つのかなど研究しています。
- 荒木
- 私が研究を始めているのは,大災害が起きたときの帰宅困難者対策です。東日本大震災のときには,東京で帰宅困難者の問題がクローズアップされました。これまであまり研究されていないテーマだと思います。どういう問題に焦点を当てたらいいか,過去の事例を基に考えているところです。
- 安藤
- 岐阜県山間部の災害対策を研究しています。高齢化,過疎化の問題,そして,集落が孤立する問題など,防災を考えるうえで山間部特有の課題があると思います。防災を学ぶに当たってのアドバイスをお願いします。
- 木下
- 災害の直後はすぐには“公助”が期待できず,大きな災害であればあるほど“公助”は機能しにくくなり,住民一人一人の“自助”が重要になります。どのようにすれば自力が発揮できるのかという観点で,自分に起きることとして研究を深めてほしいと思います。

- 木下 誠也教授
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東京大学大学院工学系修士修了,博士(工学)元国土交通省近畿地方整備局長。国土審議会,社会資本整備審議会委員等。土木学会建設マネジメント委員長。2014年本学生産工学部教授に就任し2016年より現職。
教員情報詳細
学生からのメッセージ

W.S
危機管理学部4年
研究テーマは「震災時の救急と救助」
小学生の時に東日本大震災を経験したのをきっかけに,災害現場で命と関わる仕事に就きたいと考え,災害や災害対策を専門的かつ実践的に学べる危機管理学部を選びました。現在は,今後30年以内に70%の確率で起きると予測されている首都直下地震における救急・救助業務の実施方法について研究したいと考えています。コロナ禍では,オンラインでの講義に加えて,例年よりも空き時間が多くなったので,公務員試験の勉強や語学の勉強などにも取り組んでいます。