グローバルセキュリティ領域
変動する国際情勢を注視しながら日本と世界の平和・安定を目指して
世界で発生する戦争や紛争,国際テロリズムなどの政治的危機から,環境問題や難民,人権など国際的な取り組みが求められる問題について学びます。
概要
領域の特徴
グローバルセキュリティ領域では,国際秩序を維持する安全保障,国際法などの法制度,国際テロリズムなどの国境を越える脅威に焦点を当てます。また,国際的な環境破壊,難民,人権侵害,貧困,感染症などの問題も取り扱うので,世界的な視野を持って多様な危機管理に携わるための素地を養うことができます。常に日々変動する国際情勢の動向を注視しつつ,紛争や領土問題など今そこにある危機の事例などを通して,今後の日本と世界の平和・安定に向けた具体的な取り組みを考えていきます。
メッセージ
我々は日々の生活において,貧困問題や安全保障の問題に向き合うことはそれほど多くないかもしれません。それは日本の安全保障が確立されており,国内も豊かなためですが,将来的には国外の脅威が我が国を脅かす危険もあります。さらに,世界に目を向ければ,内戦が続いている国や深刻な貧困問題を抱えている国もあり,そこでは多くの人々が困難に直面しています。グローバル領域では視野を広く持ち,こういった世界の問題や危機について考えていくことが大切です。
授業説明
主な科目
- 国際政治学
- 国際法
- 防衛法制
- 安全保障論1(国際安全保障)
- 安全保障論2(国家安全保障)
- ストラテジー
- 国際人権・人道法
- 外交史
- 防衛政策
- 平和構築論
- 国際化と国境管理
- 比較宗教文化論
- 国際自然・環境論
- 観光リスクマネジメント
- 国際関係論
履修モデル
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | |
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総合教育科目 |
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専門基幹科目 |
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専門展開科目 |
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副専攻科目ごとの履修モデルは別表を参照 |
※A 別表「総合科目一覧」からいずれか選択
※B 行政キャリア推奨
※C 企業キャリア推奨
※D 主専攻1領域から○の選択必修2単位を含む16単位を履修 領域の選択必修は2科目とることを推奨
副専攻科目:災害マネジメント領域の場合
2年 | 3年 | 4年 | |
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副専攻科目 |
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他領域科目 |
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※ 副専攻の領域科目から10単位を選択
副専攻科目:パブリックセキュリティ領域の場合
2年 | 3年 | 4年 | |
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副専攻科目 |
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他領域科目 |
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※ 副専攻の領域科目から10単位を選択
副専攻科目:情報セキュリティ領域の場合
2年 | 3年 | 4年 | |
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副専攻科目 |
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他領域科目 |
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※ 副専攻の領域科目から10単位を選択
座談会「世界の多様性を学び,国際感覚を磨く」

- 佐野
- 先輩方が,グローバルセキュリティ領域を選んだ理由は何ですか?
- 瀧澤
- グローバルセキュリティを選んだきっかけは,高校生のときに平和安全法制の問題に取り組んだことです。そのときは,なぜここまで社会で問題になっているのかあまりわかりませんでした。ただ,私たちの生活の安全を守る存在がいることと諸外国がこの問題にとても関心が高いことに気づき,より学びたいと思いました。
- 政木
- 私が選んだ理由は,これから社会に出る際に特に必要になる知識が多いと感じたからです。私は将来のキャリアとして民間企業を考えていますが,多くの企業では海外との取引など,グローバル化が非常に進んでいますので,相手のニーズやその国の法律や文化を知るためにもグローバルセキュリティ領域を学んでおく必要があると考え,選びました。
- 佐野
- 特に興味を持って勉強されているテーマとその理由は何ですか?
- 瀧澤
- 「法治国家である日本で,いかにして危機から人の命を守っていくか」です。大学で勉強していくうちに,日本が何か行動を起こすためには法律の根拠が必要であることに気づきました。法律に根拠がないから行動できないとなると人の命を守れません。しかし,人の命を守るため法を破るわけにもいきません。そのため,どのような手立てがあるのか研究しています。
- 政木
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私のテーマは,「国による個人情報保護法の違い」です。理由としては,国によって個人情報の扱い方が異なるにも関わらず,サイバー空間で何の障害もなくやり取りされているため,知らないということが非常にリスクになると考えたからです。
佐野君はグローバル領域でどんなことを学んでいきたいですか? - 佐野
- これまで私は,日本の安全保障や国際安全保障論,外交史といった科目を学びました。これらの講義で学んだ知識を基に国際テロリズムに対する対応を学ぶ国際テロリズム論,海外にいる邦人や企業の保護のあり方を学ぶ海外安全対策といった講義の中で,さらに,国際社会の現状と日本のあり方について学びを深め,諸問題に対する自分の意見を持ちたいと思っています。小谷先生,この領域で学ぶに当たり,アドバイスをお願いします。
- 小谷
- キーワードは多様性と国際感覚です。世界には200程度の国が存在し,それぞれ固有の言語や文化,常識を有しています。
日本の常識のみにとらわれていては,相互理解が進まなくなります。なるべく日頃から世界のニュースなどに接するようにしてください。学生の皆さんには本学部で国際感覚を養ってもらい,将来はグローバルに活躍してほしいです。

- 小谷 賢教授
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ロンドン大学キングス・カレッジ大学院修士課程,京都大学大学院博士課程修了。防衛省防衛研究所主任研究官を経て現職。専門は国際政治学。著書に『日本軍のインテリジェンス』,『日英インテリジェンス戦史』等。
教員情報詳細
学生からのメッセージ

A.R
危機管理学部3年
知識を得るおもしろさに感動
中学生の頃に「国境なき医師団」の映像を見て以来,世界の課題解決に関わる仕事に就きたいと考えており,その夢を叶えるため,専門的に国際的な知識を養い,研究できるグローバルセキュリティ領域を選びました。歴史上の戦争など,これまで知らなかったことにも授業で触れることができ,知識を得るおもしろさに気づかされました。所属する国際法のゼミでは,戦争や貧困問題について研究を進め,グローバルな環境で活躍するために語学の勉強にも注力していきたいです。