4月1日から学校でもマスクの着用は個人の自由に!

令和5年の3月13日から、マスクの着用は原則個人の自由となりました。それに伴い、文部科学省も4月1日から、学校現場でのマスクの着脱は個人の自由という方針を示しました。

これによって、改めて「黙食」が不要になったり、入学式や卒業式などの式典でもマスクの着用は不要に。「3年間一度も素顔をみたことがない……」そんな言葉を残して卒業して行った皆さんの先輩もたくさんいるはず。こういった不便さからも解放され、皆さんの学校生活にも大きな変化が予想されますね。

マスクを外さない自由?素顔をからかう風潮

しかし、現実にはまだまだ外出中のマスク着用率はとても高いまま。電車やバスの車内はもちろん、街中を見回しても、まだまだ「マスク派」の方が圧倒的に大多数です。

特に皆さんの年代を中心に、また別の理由で「マスクを外したくない」という人も少なくないのではないでしょうか?特に、様々なアンケートや調査でみられるのが、「素顔に自信がない」「素顔をからかう風潮がある」といった意見です。確かに、マスクはもはや顔の一部といっても過言ではないほど。また、マスクをしていることで自分の主張が希薄になり、コミュニケーションを避けることができるという意見もみられました。

事実、マスク文化になってから、歯列矯正や親知らずを抜く、シミの除去といったマスクをつけているからこそできるチャレンジが急激に増えたそう。

極端な自由の主張にはリスクあり!感染症以外の危機管理

皆さんの周りにも「絶対にマスクはしない!」「マスクなんて効果はない!」と言う反マスク派の人、街中なども含めて一度は見かけたことがありませんか? 

実際に、コロナ禍で多くみられたのが、マスクをつけないことによるトラブル。多くの人が感染防止のためにマスクを身につけていましたが、頑なにマスクをしない人も見受けられ、これによるトラブルも多く発生しました。

中でも目立ったのが、「マスクを着用していない人の飲食店などへの入店拒否や、公共交通機関などへの乗車拒否」といった、公共の場でのモラルに根差した問題。実際に、著名人の中にも、マスク未着用により飲食店に入店を拒否されてニュースになったり、添乗員の指示に従わずマスクを拒否し続けて、ついには飛行機を緊急着陸させるという事件が世間を騒がせたりしていました。特にこの飛行機の緊急着陸事件では、乗客に対し有罪判決が下っています。

一方で実際には、マスクをしていないから、という理由で乗車や入店などを拒否するのは、法的には難しい側面があります。

入店や乗車を拒否できるサービスとできないサービス
サービスの種類 マスク有無による可否 根拠法 例外
スーパーや飲食店 拒否可能 民法521条
契約の締結及び内容の自由
マスクをしていない外国人、など別の要因による差別に当たる場合など
公共バス 拒否は難しい 道路運送法第13条
運輸規則13条
明らかに感染症患者とわかる場合
飛行機 拒否は難しい 航空法第73条4 マスク着用以外の理由で「安全な運行」に支障をきたす場合
例)マスク着用を促されたが拒否して暴れた、など
ホテル 拒否は難しい 旅館業法第5条 明らかに伝染病などの症状がある場合や、風紀を乱す行為
例)マスク着用を促されたが拒否して暴れた、など
病院 拒否の理由次第 医師法第19条
歯科医師法第19条
基本的に診察拒否は難しいが、マスク拒否の理由に合理性を欠く場合
例)マスクが嫌い、などの個人的な感情論

全体的に、「マスクをしていないから」だけを理由にしてサービスの提供を拒否するのは難しいですが、だからと言ってそれを逆手にとってトラブルに発展すると、別の理由で警察沙汰や裁判に発展する可能性は多いにありそうですよね。

マスクへの期待度は個人の判断が重要。リスクを正しく認識するためには

こうしたマスクに関するトラブルは多い一方、そもそもマスクの着用による感染防止効果については、効果が薄いとする専門家の見解も一定数みられます。

そうはいっても、現実的にはマスク派が大多数を占めていますし、マスクをしないことでトラブルにあうことはあっても「あなたはマスクをしているからダメ」など、マスクをしていることでトラブルにあうことは滅多にないと言えるでしょう。

ただ単に「まわりがそうしているから」という理由でマスクをするしないを決める必要はありませんが、だからと言って周囲に受け入れられにくい理由や態度を振りかざすと、思った以上に大きなしっぺ返しを食らうケースもあります。

一方で、今後はマスクをしない人、しなくても良いシーンが増えてくるのも事実。肝心なことは、その行為にどういったリスクがあり、どの程度までは許容できる危機なのかを、発生の頻度や世間全体の意思を思い浮かべながら、考えていく必要がありそうです。