CPAP継続の鍵は「鼻」にあり~鼻腔形態改善手術によるSAS治療の最適化~
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の標準治療であるCPAPにおいて、最大の課題は「忍容性(アドヒアランス)の低さ」です。処方されたものの、不快感から装着を断念してしまう患者さんの背景には、構造的な「鼻閉(鼻づまり)」が隠れているケースが少なくありません。
■なぜ鼻が悪いとCPAPが続かないのか
鼻腔に閉塞があると、狭い通路に空気を送り込むために高い加圧設定が必要となります。その結果、強い風圧による不快感が生じるだけでなく、無意識の口呼吸(エアリーク)を誘発し、喉の乾燥や治療効果の減弱を招きます。多くの患者さんが訴える「窒息感」や「マスクの苦しさ」は、鼻の物理的な抵抗に起因していることが多いのです。
■当科が提案する外科的アプローチ
当科では、CPAPの治療環境を根本から改善するため、以下の内視鏡手術を積極的に行っています。
l 内視鏡下鼻中隔矯正術:鼻腔通気に障害となる曲がった鼻中隔を矯正し、空気の通り道を整えます。
l 粘膜下下甲介骨切除術:肥厚した下甲介の「骨」を粘膜下で切除し、鼻腔容積を拡大します。
これらは顔表面に傷を残さない低侵襲手術です。粘膜を焼く治療とは異なり、骨格から改善するため、後戻りするリスクが少なく効果が持続します。
■手術によるメリット
鼻腔抵抗が減ることでCPAPの設定圧を下げることが可能になり、装着感が劇的に改善します。
■ご紹介と連携のお願い
CPAPの忍容性が低く、加圧設定の調整に苦慮されている症例や、口呼吸が止まらない患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ一度当科へご紹介ください。内視鏡やCTによる客観的な評価に基づき、最適な治療計画をご提案いたします。本治療により患者さんのCPAP使用が容易になりましたら、また紹介元の医療機関での引き続きのCPAP治療をお願いすべく逆紹介いたします。