「 心臓リハビリテーション(心リハ)の病診連携につきまして 」
CCU病棟医長の八木司です。
近年、心不全患者さんに対する包括的心臓リハビリテーション(心リハ)の重要性が高まっています。心リハは単なる運動療法ではなく、多職種チームによる長期的・包括的な治療プログラムであり、運動耐容能や身体機能の改善に加え、QOL向上、再入院予防、フレイル予防、抑うつ改善など、多面的な効果が期待されています。実際に、心不全患者さんに対する心リハは、健康関連QOLの改善や心不全再入院の抑制、生命予後改善に寄与することが報告されています。一方で、国内における心リハ実施率は依然として十分ではなく、特に外来心リハの普及が課題となっています(日本循環器学会心不全診療ガイドラインより引用)。
こうした背景のもと、「脳卒中・心臓病その他の循環器病に係わる対策に関する基本法」に基づき、地域における循環器病医療体制の整備が進められています。東京都では、2025年7月に「東京都心リハネットワーク」が設立され、地域や施設間での心リハ提供体制や質の格差を是正し、都内どこでも適切な心リハを受けられる体制づくりが進められております。
当院も東京都心リハネットワークに参加し、入院患者さんのみならず、外来患者さんの心リハにも積極的に取り組んでおります。
【当院で受け入れている主な心リハ適応疾患】
l 心筋梗塞
l 狭心症
l 心臓手術後
l 大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管手術後)
l 慢性心不全
l 末梢動脈閉塞性疾患
l 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)後
l 肺高血圧症
貴院で心リハが必要と考えられる患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ当院「心臓リハビリ専門外来」へご紹介いただければ幸いです。
また、2026年度(令和8年度)診療報酬改定では、「心不全再入院予防継続管理料」が新設されました。当院でも、管理料1算定に向けた体制整備を進めております。今後は、管理料3を算定している保険医療機関や地域の先生方やコメディカルスタッフの皆さまを対象とした心不全診療研修会の開催も予定しております。地域全体で心不全診療を支えていくため、さらなる病診連携を進めてまいりたいと考えております。
今後とも日本大学病院循環器病センターをよろしくお願い申し上げます。