アミロイド PET でアルツハイマー型認知症の治療前 診断が出来ます
認知症の原因の約 7 割を占めるのがアルツハイマー型認知症です。その主な原因は、脳内に「アミ ロイド β」という原因蛋白(たんぱく)が沈着するためだと考えられています。
日本では 2023 年以降、軽度認知障害(MCI)や軽度のアルツハイマー型認知症を対象に、この蓄積したアミロイド β を除去する新しい治療薬(レカネマブやドナネマブなど)が使用できるようになりました。この治療を行うためには、事前に脳内にアミロイド β が存在しているかどうかを確実に 確かめる必要があります。
従来は、脳脊髄液を採取して有無を確認していましたが、現在は PET 検査によって患者さんに痛 みの負担を与えることなく、脳内のアミロイド β を可視化できるようになりました(図 1)。
図 1. アミロイド PET(フルテメタモル PET) アミロイドβ蛋白陽性例 (矢印の所はアミロイドβ蛋白付着部です)
MMSE 22 点 CDR-GS 0.5
*当院ではカラーイメージでアミロイドβ蛋白を描出しております。
*アミロイドβ蛋白は赤く表示されます。
アミロイド PET でアミロイドβ蛋白陰性例であっても、その他の検査を重ねることによって認知症をより深く診断することが出来ます(図 2)。
具体的にはレビー小体認知症やパーキンソン病、進行性核上麻痺の診断のためのドパミントランスポーターシンチ(DAT-scan)や心臓交感神経シンチグラフィーなどです。
図 2. アミロイド PET アミロイドβ蛋白陰性例 MMSE 26 点 CDR-GS 0.5
*脳表にアミロイドβ蛋白を示唆する赤い表示が無く全体的に青く描出されています。
アミロイド PET を保険適応で行う場合は以下の条件があります
• レカネマブ・ドナネマブ治療可能施設からの依頼であること。
• 脳脊髄液検査におけるアミロイドβ42/20 比測定を行っていないこと(検査の重複を防ぐため)
• 厚生労働省の定める「レカネマブ(遺伝子組換え)の最適使用推進ガイドライン」における投与対象となる患者に該当すること(以下 1-4)。
1. 患者本人および家族・介護者の、安全性に関する内容も踏まえレカネマブによる治療 意思が確認されていること。
2. レカネマブ・ドナネマブの禁忌に該当しないこと。
3. MRI 検査(1.5 テスラ以上)が実施可能であること。
4. 認知機能の低下および臨床症状の重症度範囲が以下の(a)および(b)の両方を満た すことが、投与開始前 1 か月以内の期間を目安に確認されていること。
(a) 認知機能評価 MMSE スコア 22 点以上
(b) 臨床認知症尺度 CDR 全般スコア 0.5 または 1
各施設での総合的な診断や治療が困難な場合は、日本大学病院のメモリーセンター外来、脳神経外科外来、精神科外来などでも対応が可能です。
まずは当院の医療連携室までご連絡(またはご相談) ください。
医療連携室:https://www.nihon-u.ac.jp/hospital/relation/cooperate
*日本大学病院で使用している「アミロイド PET 診療情報提供書」は、下記の QR コードより取得いただけます。