三叉神経痛
脳の動脈が脳神経(顔面神経や三叉神経、舌咽神経)を圧迫することによってきたす疾患では、 圧迫している動脈を神経から離して減圧する手術「神経減圧術(MVD)」が有効です。日本脳神経減圧術学会では「脳神経減圧術に関する専門的な知識と手技を有し、満足する結果を患者に与える適切な治療を行う医師を『認定医師』とする」登録が始まりました。https://japanmvd.jp/registration/kanto/
【MRIでの診断】
片側の顔面に発作的に電気が走るような激しい電撃痛(びりびり)が生じるようになり、1回の痛みの持続時間は数秒から長くても数十秒程度で痛みがない時には何の症状もないのが特徴です。そうした発作性の痛みが1日に何度も繰り返されます。虫歯や歯周病ではないかとまずはお近くの歯科医を受診することがほとんどですが、痛みがある箇所の歯牙には何の異常も見当たりません。
【三叉神経痛外来(MVD外来)を開設しています】
患者さまをご紹介いただいた場合でも、すぐに手術を選択することにはなりません。日大病院では、隣接した歯学部病院と三叉神経痛のトータルケアに取り組んでおり、診断を含め、内科的治療や手術など患者さんにとっての最適をご提案します。日本大学病院 脳神経外科は三叉神経痛治療の「根本的な治療(手術)を検討する窓口」ではなく、「三叉神経痛治療の入り口」として機能しています。
微小血管減圧術の中でも、三叉神経痛の手術は技術と経験が必要とされます。血管の圧迫で起こるのが約90%ですが、腫瘍によるものが約10%程度ありますので、治療する施設選びも慎重になります。日本大学病院では、頭蓋底外科など難症例の手術をはじめ、腫瘍の位置などで手術アプローチが難しいとされる場合でも対応しています。
【三叉神経痛のトリガーポイント】
鑑別診断早見表
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項目 |
三叉神経痛 |
顔面神経痛 |
顔面神経麻痺 (ベル麻痺など) |
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原因神経 |
三叉神経(第5脳神経:知覚) |
不明、または精神的要因など |
顔面神経(第7脳神経:運動) |
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痛みの性質 |
電撃・激痛(刺す、走る) |
鈍痛、ジワジワ、重い違和感 |
原則として痛みはない |
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痛み持続時間 |
数秒〜2分程度(発作的) |
数時間〜1日中、持続する |
痛みなし(耳の後ろが痛む程度) |
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痛みの部位 |
頬、顎、額(原則として片側) |
顔全体、場所が移動することもある |
痛みなし |
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引き金(誘発) |
洗顔、歯磨き、食事で激痛 |
触れても変化が少ない |
なし |
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見た目の変化 |
なし(痛くない時は完全に正常) |
なし |
目が閉じない、口角が下がる |
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薬物治療 |
カルバマゼピン(テグレトール) |
抗うつ薬、プレガバリンなど |
ステロイド薬 |
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手術 |
腫瘍との鑑別診断が必要 ややテクニックを必要とする |
神経減圧術 |
× |
u 鼻のわきや口元などに触れると電撃痛が誘発されることも多く、トリガーポイントと言われます。
u 食事、髭剃り、歯磨きや洗顔などでも生じる様になると生活もままならなくなってきます。
u 市販の鎮痛剤(ロキソニン、カロナールなど)ではほとんど効果がありません。
u 原因の多くは、屈曲蛇行してきた脳血管が三叉神経を圧迫することで三叉神経繊維の損傷が増悪することで生じます。
u 神経繊維の損傷箇所においてテグレトール(カルバマゼピン)による損傷繊維からの異常発火が抑制されるために電撃痛が抑制されることが特徴です。