地域住民と学生による「まち歩きマップ」  まちの良さを再発見。魅力に迫る

理工学部建築学科・山中研究室「しもだっこマップ」

学び・教育
2021年09月06日

理工学部・山中新太郎教授の研究室が、地域住民とまち歩きアップ「しもだっこマップ」を編集・制作した。山中教授と20年来の関わりがある、静岡県下田市の令和元年度からの受託研究として、旧下田町地区の地域資源を生かし、再認識するのが目的。市役所、道の駅、マップ掲載の店舗などに2000部配布された。

住民は小学生から大人まで。一緒にまちの良さを見つける

世代、特色別に11の属性に分類した

世代、特色別に11の属性に分類した

下田市の声掛けで、マップ作りに協力してくれる地域住民とワークショップを行ったのが2019年の10月。翌月に第2回を開催し、小学生から大人まで「歴史」「子育てママ」など11の属性に分け、住民と研究室の学生がまちを回った。その後、見た内容を模造紙に地図と説明文を加えてまとめ、まちの紹介は地域住民、まとめる作業は学生と役割分担をして作り上げた。ワークショップが終わってから研究室で、デザイン、マップ内の原稿作成といった編集作業を経て完成。制作に1年をかけ作り上げた。

学生がデザイン、編集して制作

マップのレイアウトを担当した大学院理工学研究科建築学専攻1年の坂口智さんは「11チームで情報量が違うため、何を伝えたいのか読み取ること」を重視。バスマップなどの事例研究をして、制作を進めた。また、大学院理工学研究科建築学専攻2年の佐藤澄怜さんは、ワークショップに参加。「聞き手として人を相手にする機会はあまりなく、楽しかった。地域の多種多様さが魅力だと感じた」と振り返った。マップ制作を経て、山中教授は「建築は人の話を聞き、その思いを形にするのが本質。制作・編集作業でコーディネーターを経験する教育効果が高い」と話す。魅力的なまちづくりは、人によって目線が違うため、魅力を一つに絞らないことだという。今回の共同作業をきっかけに山中研究室は下田市との交流をさらに深めている。