長期間に渡って、頻繁な耳鳴りと回転性めまいに悩んでいる方がおられましたら、日本大学病院 耳鼻咽喉科または脳神経外科 にご相談ください。
「めまい」「耳鳴り」にはさまざまな原因があります。多くは「内耳」と呼ばれる聴く神経や体の平衡感覚を保持するための半器官等の機能障害で、良性発作性頭位変換性めまい、メニエール病、前庭神経炎などの耳鼻科的疾患です。
三叉神経痛や顔面痙攣を生じる機序と同様に、蝸牛・前庭神経に対する脳血管圧迫によって難治性耳鳴りやめまいを引き起こすことがあります。タイプライター様といわれる耳鳴りが特徴で「カタ、カタ、カタ」と鳴り出し、時に電撃様ともいわれるように「バキ、バキ、バキ」と鳴り始め、さらに立っていられないほどの回転性めまいが付随してきます。頭部MRIを撮像すると、血管が蝸牛・前庭神経を圧迫変位していることがわかります。第一選択の治療法は、テグレトールの内服です。症状の改善があるようでしたら、やはり脳血管圧迫が原因であると強く疑われます。症状が増悪してきて内服だけでは症状のコントロールがつかなくなる場合や、テグレトールによる副作用が強く内服継続が困難になる場合には外科的治療を考慮します。