ご挨拶
日本は世界でも1,2位を競う長寿国です。しかし,実はこの平均寿命は健康寿命と10年以上の差があり,すなわち多くの方が10年もの間,疾患,障害,あるいは認知症などを患い健康には暮らせていないということになります。健康を損ねている原因の多くは脳卒中や悪性腫瘍など,何らかの機能障害を残してしまう疾患によるものです。
忙しい人ほど,自分の体のことは後回しにしてしまいがちですが,やりがいのある仕事に熱中したり,気の合う仲間たちと楽しい時を過ごしたり,幸せな時間を過ごせるのは,やはり健康があってこそだと思います。
健康診断・人間ドックは健康を維持するため,転ばぬ先の杖として重要な役割を担っています。症状が出る前に早期に発見できたがんは,完治できる可能性が高くなりますし,脳卒中や心筋梗塞など生命の危険に直結する疾患を引き起こす生活習慣病を予防することも健康寿命の延長につながります。皆様の健康維持,健康増進を支援し,平均寿命をそのまま健康寿命にあてはめられるような,真に誇れる長寿国となることが私たちの目標です。
また,当センターでは,ドック・健診から一般診察における精密検査・治療まで一貫して日本大学病院での管理が可能です。精密検査が必要となって一般診療に移行した際にも健診でおこなった検査データを電子カルテ上で共有できるため,継続した経過観察を行うことができます。
できるだけ多くの方,また若い女性の方にも受診していただけるような環境作りを心がけており,レディースデイ以外にも,可能な限り女性医師,女性検査技師を配置するようにしています。2024年5月からはさらに短時間で撮影可能で高性能なマンモグラフィ機器を導入し,乳がんの早期発見にも力を入れていきます。
健診センター責任者 中井 俊子