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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2021年2月号

リハビリテーション科科長職務代行の永井多賀子です。平素より当院に患者様を御紹介いただき感謝申し上げます。


2019年度より新型コロナウィルス感染症による影響で日々の診療や医療体制にも影響が出ていることと存じます。新型コロナウィルス感染症に対する当院リハビリテーション科の対応について、他病院のリハ指針や各学会から出されているポジショニングペーパーを参考に方策を立てて対応しています。また、当院のCOVID-19ワーキンググループと連携を取り、患者様に安全なリハビリテーションを提供する体制を構築しております。


COVID-19のパンデミックは世界中の公衆衛生と経済にも大きな影響を及ぼしています。特に高齢者では、感染症やパンデミックの二次的影響を受けやすく、特別な対応が必要となります。整形外科・リハビリテーション医学の分野においては、二次的影響の積極的な管理が重要であり、専門性が発揮されるのではないかと考えています。


また緊急事態宣言や外出自粛の影響により、運動機会が減少し、筋肉量が減少した状態であるサルコペニアやフレイルの発症、生活習慣病をはじめとする基礎疾患の増悪が懸念されます。COVID-19とサルコペニアの関連性について述べた論文はまだ少ないですが、いくつか興味深い論文が発表されており、COVID-19の二次的健康被害を回避するためには、レジスタンス運動と適切な栄養管理が必要であると報告されています(Kirwan R, et al. Geroscience.2020)。サルコペニアに関しては、当科においても調査を行っており、大腿骨近位部骨折の場合、入院時に約57%がサルコペニアを認めているという結果が得られました。また、サルコペニアを有する場合は有意に退院時ADLが低いという結果が出ています。サルコペニアを予防することが、転倒や骨折、ADL低下の予防につながるといえます。サルコペニアの予防には、多職種が連携し、包括的な医療の提供が必要です。今後は日常診療において、包括的医療と予防的介入に注力する必要性が高まると予想されます。また当院をはじめとする急性期病院におきましては、医原性のサルコペニアの予防に努めることが病態回復の為に重要であると考えています。


当院におけるリハビリテーションにおいても、二次的健康被害を最小限とするようなリハビリテーションを提供し、紹介元でのリハビリテーションが安全に行えるように逆紹介を推進していきたいと思います。


リハビリテーション科は患者様の為に信念をもって診療に邁進いたします。今後とも宜しくお願い申し上げます。


整形外科センター

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