拝啓　早春の候　先生におかれましては益々ご清栄の段　心よりお慶び申し上げます。

わたくしは1991年（平成3年）に広島大学を卒業して、股関節を専門に診療と研鑽を積んでまいりました。2016年から板橋中央総合病院に勤務し、2018年からは同院整形外科診療部長として地域医療を担っておりました。

2021年4月から日本大学病院（駿河台）にて人工股関節外来を開設させていただきました。さらに2022年6月から中西一義主任教授のご高配により日本大学病院整形外科　病院教授（股関節外科学）に就任いたしました

私が行う人工股関節手術は、筋肉や腱を一切切除することなく、筋腱完全温存で行う仰臥位前外側（ALS）アプローチが特徴です。おかげさまで、いかなる動作制限も行うことなく「術後脱臼ゼロ」を獲得できております。

筋腱完全温存による回復の早さと最小限の筋力低下により早期の社会復帰も可能であり、患者さんの反応も大変良く手ごたえを感じております。

おかげ様でたくさんの患者様をご紹介頂き、順調に手術症例数も伸びてまいりました。

現在、週5例程度の手術をコンスタントに行っていますので、年間200-250例の患者さんに人工股関節手術の恩恵をもたらすためのお手伝いが出来ているものと思います。

最近ではスポーツ復帰を希望する方や制限のない生活を熱望する患者さんが全国からご来院頂けており、手術予約待ちが3-4か月の状況であります。

出来るだけ多くの患者さんを治療したいと思っておりますが、手術枠の問題などもあり痛みのある患者さんを数か月お待たせすることに心苦しさを感じている次第です。

われわれ股関節班は私の他に藤巻裕久先生、菅順一郎先生にご尽力いただき、常に進歩することをモットーとして日々の診療を行っております。

先生方のご期待に沿えるように一生懸命治療を行ってまいりたいと思いますので、引き続きご高配の程何卒宜しくお願いいたします。

敬具