平素より当院に患者様をご紹介いただき、心から感謝申し上げます。整形外科センターの駿河誠(するがまこと)です。私は膝関節の関節鏡手術を中心としたスポーツ整形外科を担当しております。
新型コロナウイルス感染症は未だに注意が必要ですが、感染症法にて5類に指定されてからは、人々の交流が再開され、勉強会なども現地で開催できるようになりました。学会では久しぶりに様々な先生方と対面でお話しする機会を持ち、コミュニケーションの大切さを再認識しました。
さて、今回は当院が力を入れている「膝周囲骨切り術(Around knee osteotomy: AKO)」についてご紹介いたします。かつては膝の骨切り術と言えば、主に高位脛骨骨切り術(High tibial osteotomy: HTO)が一般的でしたが、現在では症例に応じた様々な骨切り手術(AKO)が行われるようになりました。時代の変化に対応し、当院も高度な変形に対するDouble level osteotomy: DLOやhybrid closed wedge HTOなどの多様な骨切り術に取り組んでいます。
また、半月板の変性断裂に対する治療においても、AKOを併用するケースが増加しています。かつては半月板切除が一般的でしたが、術後にOAが進行することが問題となり、近年は半月板縫合が増えてきました。しかしながら、内反膝を合併している症例では半月板縫合の再断裂が多い傾向があります。そこで、半月板切除または縫合に加えてAKOを行うことで、半月板の再断裂およびOAの進行予防に役立ち、膝の健康寿命を延ばすことができると考えています。
こうした最新の治療を、患者様の背景やニーズに応じて最適な方法を共に考えて選択しています。私自身はまだ若輩者ですが、おかげさまで年間100例以上の関節鏡手術を執刀させていただいており、患者様およびご紹介いただく先生方に満足していただけるよう、丁寧な診療に心掛けています。もしもお困りの患者様がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介いただければ幸いです。
最後になりますが、引き続きご自身のお身体にご愛顧いただき、健康をお祈り申し上げます。今後ともより一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。