低侵襲治療について
平素より当院整形外科センターに患者様をご紹介頂きありがとうございます。整形外科センターの佐藤 謙太郎(さとう けんたろう)です。当院では主に脊椎・脊髄疾患の診療を担当しております。現在、新型コロナウイルス感染症が5類感染症となり半年近くが経過し、感染者数がニュースとなることは少なくなりました。しかし院内外で感染の報告を聞くことはまだ多く、今後も引き続き注意深く診療を行っていきたいと考えております。
さて当院では脊椎・脊髄疾患に対する手術療法を幅広く行っておりますが、近年では「低侵襲」で治療することがトピックとなっています。脊椎椎体骨折に関してもBKP(Ballon Kyphoplasty)が患者さんへの負担が少なく広く浸透していますが、去年よりVBS(Vertebral Body Stenting)と呼ばれる新しい手法が当院でも導入されました。BKPは経皮的椎体形成術の一種であり、圧壊椎体内でバルーンを膨らませた後、骨セメントを充填することで治療を行います。しかしバルーンの圧を抜いた際に椎体高が減少してしまう弱点がありました。VBSはバルーンで膨らませた後にステントを留置することで椎体高の損失なくセメントが充填できます。またステント越しにセメントを注入することで椎体外への逸脱も少なくすることができます。症例によっては固定術を併用することもありますが、椎体骨折の治療でお困りの患者さんがいらっしゃれば一度ご相談して頂ければ幸いです。
末筆ではありますが、今後の皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。引き続き当院整形外科センターを何卒よろしくお願い申し上げます。