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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2023年11月号

血管閉塞外来からのお知らせ

 朝夕冷え込む季節になりましたが、先生方におかれましては、常々当センターに貴重な患者様をご紹介いただき、誠にありがとうございます。

 今回のニュースレターは私も担当させていただいております血管閉塞外来につきまして、ご報告させていただきます。


 血管閉塞専門外来は11月現在、毎週水曜日の午後に田中准教授の下、宮田医師、藤宮医師、白田医師と私の眼科医師に加え、第3土曜日に内科医である土屋医師にて診療を行わせていただいております。対象疾患は網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、傍中心窩毛細血管拡張症等の疾患で、眼科的側面のみでなく、内科的側面も考慮して診療を行っていることが、大きな特徴でございます。これまでも臨床研究で学会発表をさせていただいておりましたが、この度、その成果の一部をまとめました論文が受理されました。(Maximum carotid intima-media thickness and NT-pro BNP in association with retinal vein occlusion〔in press〕)この論文の概略を載せさせていただきます。網膜静脈閉塞症は高血圧等動脈硬化性疾患が危険因子となることが知られておりますが、その動脈硬化を非侵襲的に検査する方法として、頸動脈超音波で内膜中膜複合体厚(IMT)を測定する方法がございます。このIMTが最も厚い部位の厚みを最大内膜中膜複合体厚(max IMT)といいますが、これが1.1mm以上であると日本では動脈硬化を認めると判定されます。今回の研究では網膜静脈閉塞症の患者のmax IMTは肥厚しており、改めて網膜静脈閉塞症と動脈硬化の関連が示唆されました。また、心臓への負荷が多いと分泌され、血管抵抗の低下、血圧降下に関わるホルモンであるBNPに注目し、網膜静脈閉塞症の患者様でこのBNPと同じモル比で血中に逸脱されるNT-proBNPが55pg/mL以上である症例ではmaxIMTが1.1mm以上である傾向があることも確認し、網膜静脈閉塞症の患者様でNT-proBNPが上昇している場合、動脈硬化の指標となる可能性があることを示しました。この様な論文を発表させていただくことができましたのも、先生方が貴重な患者様をご紹介いただけました賜物でございます。改めまして、多数の患者様をご紹介いただき、ありがとうございます。血管閉塞外来における抗VEGF療法につきましては、2022年にベオビュの適応に糖尿病黄斑浮腫が追加になりましたが、9月末にラニビズマブBSが網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に適応追加となりました。今後もお困りの患者様がいらっしゃいましたら、当科にご紹介いただけますと幸いです。適切に先生方と連携を行うことにより、ご紹介いただきました患者様、先生方にとっても、より良い環境を目指しておりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。


 最後に私事で恐縮でございますが、私、小野江は2023年12月をもちまして当医局を退局いたします。
 これまで多数の患者様をご紹介いただき、誠にありがとうございました。血管閉塞外来につきましては、2024年1月以降につきましても非常勤として勤務させていただきます予定でございます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

アイセンター

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