経腟的内視鏡手術vNOTESについて
以前からご案内しております経腟的内視鏡手術vNOTESを改めてご説明いたします。
この手術は管腔臓器を用いた内視鏡手術のことをいい、婦人科領域では腟を使って行う内視鏡手術となります。腹部に創をつけずに行いますので、より低侵襲な手術になります。アプローチ方法は、前後腟円蓋部に穴をあけ、そこから通常の腹腔鏡手術と同様に炭酸ガスを送り込んで腹腔を膨らませて手術を行います。それぞれの靱帯や血管はその都度、縫合結紮やエネルギーデバイス(超音波凝固切開装置)を用いて凝固止血切開して進めます。これにより通常の腹腔鏡手術以上に術後の痛みは少なくなり、また腹部に創もなく、術後3日で退院となり、社会復帰も早まります。このようにメリットは大きくなります。手術時間は一般に約1時間ですが、出産経験がない、手術既往がある、癒着があるなどの場合には延長することがあります。もしも癒着が想定される場合には、最初に臍窩よりカメラで腹腔内を観察してから、vNOTESを行います(hybrid vNOTES)。もしもこの手術が困難な場合には、通常の腹腔鏡手術に切り替えます。当院では、経産婦人に限らず、未産婦人や帝王切開既往の場合でも、vNOTESの選択を考慮します。この手術が不向きな方は腹腔内癒着が強い方や性交未経験の方、子宮が臍の高さを超えている方になります。患者様で、あるいは先生方で、この手術を希望される場合には、一度当院にご紹介していただければ幸いに存じます。窓口は産婦人科の責任者である永石の外来をご予約ください。今後ともよろしくお願い申し上げます。
なお、昨年春から産科外来も復活いたしました。今後は皆様の要望にお応えできるように妊婦健診や羊水染色体検査、妊娠中の管理も行えるようにいたします。先々は分娩管理も視野に入れておりますが、現時点では妊娠中期までの対応となります。ご紹介頂けましたら幸いに存じます。
何卒、よろしくお願い申し上げます。