呼吸器外科疾患の紹介(縦隔腫瘍,胸腺腫)
胸腺腫は前縦隔に発生する上皮性腫瘍で、縦隔腫瘍の中では全体の40%程度を占める最も多い腫瘍です。病理学的には異型が少なく5年生存率も原発性肺癌と比べ良好で、時に良性腫瘍と勘違いされていることもありますが、その特徴として大血管系や肺などの周囲臓器に浸潤しながら増大傾向を示すため、臨床的には悪性腫瘍に準じて治療方針を決定する必要がある腫瘍です。実臨床では周囲臓器浸潤をきたさない限り無症状であるため、早期発見は中々難しく、他疾患経過観察中やCT検診などで偶発的に発見されることが多い腫瘍の一つであります。
当科ではそうした胸腺腫、縦隔腫瘍に対する治療についても手術加療を中心に、個々の症例に応じて最適の治療法を検討し提供いたします。まだ診断のついていない患者様でも速やかに対応し、手術が必要な患者様の場合には、御紹介から2週間以内に手術を施行いたします。
当院では平成30年7月1日付で日本大学病院呼吸器外科が新設いたしました。
「すべては患者さんの利益のために」をモットーとし,地域の医療連携医の先生方と協力して,患者さん一人一人に最善の医療を提供できるよう努めてまいりますので何卒よろしくお願い申し上げます。