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日本大学病院

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ニュースレター

2024年04月号

【膠芽腫(悪性脳腫瘍)】 脳神経外科 4月号

膠芽腫(グリオブラストーマ)

 

膠芽腫(グリオブラストーマ)は成人の悪性脳腫瘍の中で最も頻度が高く、予後不良な脳腫瘍です。

好発年齢は5060歳です。その高い増殖能、浸潤能と複雑な遺伝学的背景のため治療は極めて困難であり、5年生存率は10%程度、生存期間中央値は14.6ヶ月と報告されています。急速に進行するため、より良い治療成績を得るためには早期発見と即時治療が不可欠です。

膠芽腫はほとんどの場合、大脳に発生します。膠芽腫が発生すると腫瘍が脳内で急激に増大するため、突然発症したように症状(読み書き、思考、発語、手足の運動、感情コントロール)が表れることがあります。

 治療の基本は手術、放射線療法、化学療法です。膠芽腫では手術摘出度が予後と関係すると言われていますが、腫瘍が脳に浸潤する形で増殖することと、脳という臓器の特殊性から全摘出は非常に困難です。そのため、脳機能を温存しながら最大限の手術摘出を目指すmaximal safe resectionが重要とされています。合併症を出さず、出来るだけ多くの腫瘍を摘出するためには熟練した脳神経外科医の技術と充分な設備が必要不可欠です。

日本大学病院脳神経外科では、術中脳脊髄モニタリング認定医(https://square.umin.ac.jp/JSCN/specialist/nintei.html#ninteii  日本臨床神経生理学会認定医一覧)が多く在籍しており、専門医による脳機能マッピング・モニタリングや術中ナビゲーションシステムを組み合わせて安全に最大限腫瘍を摘出する手術をしています。また、必要に応じて患者さんが覚醒した状態で手術を行う覚醒下手術も行っています。

 手術でできる限り腫瘍を摘出した後は、放射線療法と化学療法を行います。腫瘍の位置によっては、脳内に特殊な電場を発生させて腫瘍増殖を抑制する腫瘍治療電場療法の適応になる場合もあります。膠芽腫は手術を終えた後も長期間に渡って治療が続きます。脳腫瘍・頭蓋底センターでは、多職種チームによる包括的な治療を行っています。カンファレンスを定期的に行い各患者様の病状と治療計画について討議し、最適な治療方針を決定しています。また、患者様とご家族への精神的サポート、リハビリテーション、栄養管理など、治療だけでなく患者様の全体的なケアにも力を入れています。

 治療が難しいとされる膠芽腫ですが、脳腫瘍学、脳神経外科学の進歩とともに、日々新しい知見が積み重ねられており、治療法も進化し続けています。日本大学病院脳神経外科・脳腫瘍  頭蓋底センターでは、最新の研究成果を取り入れ、患者様に最善の治療を提供しています。

 

術前                          術後 


 

膠芽腫と診断された患者様、もしくは疑われる患者様の受診、かかりつけ医の先生方からの紹介やお問い合わせをお待ちしております。

24時間365日、あらゆる脳神経外科疾患の患者様への対応を行っております。

 

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