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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2024年5月号

低侵襲治療時代の内視鏡診療と治療

2024年2月1日より日本大学病院消化器肝臓内科に着任いたしました三浦義正です。

私は1999年に自治医科大学を卒業後、故郷である広島県の地域医療に従事しました。当時ではまだ珍しかったスーパーローテ研修が自治医科大学卒業生には義務付けられておりましたが、2年間(24カ月)の研修期間のうち志望していた循環器内科で9カ月ほど過ごしました。しかし2001年に地域の病院勤務中に参加した日本消化器関連学会(JDDW2001京都)で、私の師匠である山本博徳先生(現自治医科大学内科学講座消化器内科学部門主任教授)のダブルバルーン内視鏡(山本先生が発明された内視鏡)と内視鏡的粘膜下層剥離術ESD(当時はまだESDという名前もついていなかったのですが・・)の発表・講演を拝聴し衝撃を受け、それらの最先端内視鏡技術を習得するために2006年に後期研修として母校の消化器内科の門を叩きました。これが私の人生の大きなターニングポイントとなりました。義務年限があけた2009年4月から自治医科大学に再入職し、本格的に消化器内科1本で診療に従事することになり、2024年1月まで一貫して自治医科大学附属病院の消化器内科で勤務することができました。中でも消化管グループに従事し、診療・研究・教育に邁進してまいりました。多くの学会発表、論文作成、講演活動を行う機会に恵まれ、特に海外での多くの講演・ライブデモをする機会を得たことは幸運であったと思います。この度、縁あって2024年2月1日より日本大学病院消化器内科に科長として赴任することとなりました。

自治医科大学時代から特に富士フイルムメディカル社の内視鏡の臨床での有用性(特にスクリーニングにおけるLCIの有用性)について研究してまいりました。現在、日本大学病院は富士フイルムの内視鏡システムが主力であり、これも何か強い縁を感じます。内視鏡の進歩は目覚ましく、私が内視鏡をはじめた頃は、キセノン光で通常径の内視鏡で観察することがメインでありましたが、今では特殊光(LCI)を用いた内視鏡観察からArtificial intelligence(AI)を搭載した内視鏡まで開発され、病気の早期発見に寄与していると思いますし、その進歩の過程を長年携われたことは私にとっての財産になっています。また消化管腫瘍に対する内視鏡治療の代表であるESDは、早期の食道・胃・大腸腫瘍に対して内視鏡での完全切除(治癒切除)を可能とし患者のQOL維持にも貢献しております。また、私のライフワークでもあった十二指腸腫瘍に対する内視鏡治療も長年の研究から現在は比較的安全に施行できる領域にまで来ております。一方、筋層由来の粘膜下腫瘍に対しては消化器外科と共同で行う腹腔鏡内視鏡合同手術LECSなども積極的に行っており、患者のQOLの軽減に大きく寄与できていると思います。

現在、日本大学病院消化器肝臓内科では、咽頭から直腸までの全消化管腫瘍(十二指腸をはじめとする小腸を含む)に対する内視鏡治療が可能な体制になっております。これまでの自身の経験を生かして、安全で質の高い医療を患者さんに提供できるよう全力で取り組んでまいる所存です。特に日本大学病院には消化器病センターが開設されており、内科・外科の垣根を越えた連携が行われています。消化器外科と密な連携、協力を行い、患者様に最適な治療法の選択をしていただける環境にあると思います。“病気を治す”ことが最も重要ですが、超高齢化社会の中で低侵襲な内視鏡治療が益々重要になると考えております。消化器疾患(特に早期の消化管腫瘍)で何かございましたら、是非、日本大学病院消化器内科をお役立ていただければと存じます。

消化器病センター

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