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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2016年11月号

晩秋の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。

2016年のノーベル生理学・医学賞は、東京工業大学の大隅良典栄誉教授に授与されることが決まりました。1988年に研究を始めた当初、だれにも注目されずオートファジーを研究している人はほとんどいなかったそうです。オートファジーは細胞の自食作用であり、体内を新鮮で健康な状態に保つために細胞の中にオートファジー小胞が現れて、不要なものや、古くなったものを包み込んで分解していく仕組みだそうです。最近ではオートファジーが癌、パーキンソン病、老化現象などにも関わっていることも明らかになり、人間の健康や病気を左右する「根源的なプロセス」として認識されつつあります。

近年、日本人のノーベル生理学・医学賞が目立ちます。「高い独創性」を持つ日本人研究者が増えつつあることの証といえるでしょう。2012年の山中伸弥・京都大教授の受賞も記憶に新しいかと思います。皆さまご存じのとおりiPS細胞は眼科分野において大きな恩恵をもたらしています。2014年9月、世界初の加齢黄斑変性に対するiPS細胞由来のRPEシート移植手術が実施されました。1例目の経過は癌化などの兆候もなく順調なようです。iPS細胞の臨床応用が眼に最初に行われたのも眼は癌化しにくい組織であるからと聞いています。網膜色素上皮細胞が分泌する色素上皮由来因子(PEDF)という因子には、分裂している細胞を殺す作用があって、腫瘍ができるのを抑えます。環境も重要で、網膜の中には白血病の治療の抗腫瘍剤としても使われるレチノイン酸という物質が豊富です。眼という組織はこのような意味においても特殊な器官と言えます。そして人体において最も高度で、精密な器官とも言えます。このような器官をしかも眼底までも毎日見ながら、働けることに幸せを感じます。まだまだ未知のことが詰まった眼球です。その眼で見ればいつか眼科医がノーベル賞を受賞する日も近かもしれません。

調べたところおりました!アルヴァル・グルストランド先生(ストックホルム)はスウェーデンの眼科医でウプサラ大学の眼科学及び光学の教授でした。視像と目の中での光の屈折の研究に物理数学的な方法を利用し、1911年にノーベル生理学・医学賞を受賞していました。 さて、次は誰でしょう?

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