急性膵炎はアルコールや胆石などが原因で起こる膵臓の急性炎症で、腹痛、嘔吐などの症状で発症します。上腹部痛に加え、血液検査で膵酵素の上昇、腹部超音波やCTで膵腫大や膵臓周囲に炎症の波及がみられれば急性膵炎と診断します。急性膵炎診療ガイドライン2015にそって重症度分類を行い、治療を行っています。治療は絶食、大量輸液、蛋白分解酵素阻害薬を投与しますが、重症急性膵炎では呼吸不全や腎不全を合併することもあり、持続的血液透析濾過や人工呼吸器管理となる場合もあります。また、合併症として被包化膵壊死を起こすこともあり、感染コントロールが困難な場合は超音波内視鏡下の膵嚢胞ドレナージ術も行っています。
急性膵炎(CT)
被包化膵壊死(治療前CT)
超音波内視鏡下膵嚢胞ドレナージ術
被包化膵壊死(治療後)