肝硬変は慢性肝疾患において肝臓内に線維組織が増え、肝臓が硬くなる病気です。肝硬変には身体症状がない代償期と症状が現れる非代償期があります。非代償期になると、黄疸や腹水・浮腫、食道静脈瘤の破裂、肝性脳症などの合併症が現れます。合併症に対しては対症療法を行っていきます。またそれぞれに対する治療はもちろん必要ですが、一番大切なのは肝硬変にならない、非代償期に進行させないことです。
以下は当院で行っている一般的な合併症に対する治療法の例です。
腹水に対しては利尿剤投与、アルブミン製剤投与、腹水穿刺吸引、腹水ろ過濃縮再静注法など。
食道静脈瘤に対しては内視鏡的食道静脈瘤結紮術、内視鏡的静脈瘤硬化療法など。
肝性脳症にたいしては排便コントロール、分子鎖アミノ酸、腸管滅菌、カルニチン、新規亜鉛製剤など。