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乳腺症 にゅうせんしょう

■乳腺症とはなにか

乳腺症とは、30~50代の女性でよくみられる良性の疾患の総称です。乳腺炎や乳がんのような明確な病気ではなく、ほとんどが女性ホルモンのバランスが崩れによって起きる逸脱症候です。女性なら多くの方が経験したことがある生理前の乳腺の張りや乳房の痛みですが、乳腺症も同じように生理前になると症状が悪化し、生理後には症状が和らぎます。このように、乳腺症は女性ホルモンの影響を受けやすく、閉経すると症状が緩和されることが多いようです。


■乳腺症の症状と原因

乳腺症でよく見られる症状には、両わきに押されるような圧通や乳房の張りなどがあります。その他、乳腺に腫瘤(しゅりゅう、腫れやこぶ)を感じる、乳頭から分泌物が出る、なども症状として現れることが多いようです。ポイントとしては30代から症状が現れやすく、生理直前に症状がもっとも強くなる点です。もしそのような症状が現れたら、乳腺症の可能性があります。

このような症状が現れる理由については、実は明確になっていません。生理前に症状が悪化しやすいことから、女性ホルモンの変化や乳腺との同調ができなくなるためではといわれていますが、明らかな原因解明には至っていないのが実情です。症状が多様で生理的変化の一つともいえるので、原因の特定が難しいといえます。

また、似たような病名に乳腺炎がありますが、原因も症状もまったく異なりますので、混同しないように気をつけてください。


■乳腺症の治療法

検査の結果、乳腺症と診断された場合にはよほど症状が悪化していない限り経過観察で十分とされており、多くの場合は特別な治療を必要としません。我慢できない痛みの場合には、消炎鎮痛剤で一時的に痛みを抑える対症療法を行うことがあります。現在、日本ではダナゾールというホルモン薬が保険適応されていますが、処方されることはまれです。

その他、あまりにも乳頭分泌が多かったり、悪性が疑われたりする場合には別な検査治療が必要になります。


■乳腺症と乳がんの関係性

よく乳腺症と乳がんの関係性について心配される方がいらっしゃいますが、基本的には乳腺症は良性疾患、乳がんは悪性疾患となります。以前は乳腺症の中にはがん化しやすい病変が含まれている、ともいわれていましたが、現在、その可能性はほとんどないとされています。


■診断後の経過観察

乳腺症と診断された場合、1年に1~2回程度は乳房検査を受けるようにしてください。乳腺症と乳がんは関係性がないといわれますが、その症状はよく似ているため、その後乳がんを発症した場合、症状の区別がつきづらいのです。定期的な検査によって乳腺症に隠れた乳がんの発見ができることがあり、早期対応が取れる可能性がぐんと上がるのです。


ヘルスケア情報サイト「ヘルスケア大学」

監修 女性医療クリニック・LUNAグループ 小関淳 より引用

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