当院消化器センターの後藤田卓志教授が主導したLinked color imaging(LCI)の大腸ポリープ発見への効果を調査した国際多施設共同研究の論文が米国消化器病学会誌Clinical Gastroenterology and Hepatologyに掲載されました。筆頭著者は当科に勤務していた鈴木翔助教で、現在は国際医療福祉大学市川病院消化器内科教授に栄転しています。
LCIは、消化管粘膜の色調をわかりやすくする画像強調内視鏡技術の一つです。この研究は、LCIを用いて大腸内視鏡検査を行うことで通常の白色光で観察するのに比べて大腸腺腫などのポリープ病変をより多く発見できるのかをアジアの4か国/地域(日本、タイ、シンガポール、台湾)の11施設で約3000例を対象に検証したものです。この研究では、LCIで観察することで通常光観察に比べて腺腫や鋸歯状病変などの大腸ポリープが約1.3~1.8倍多く発見されました。また、LCIで大腸内視鏡検査を受けた群ではその後の推奨される経過観察期間にも変更がありました。
今回掲載されたClinical Gastroenterology and Hepatology誌は消化器病領域のトップ10に入るジャーナル(IF; 13.576)で、最新の知見を世界中の医師に提供するものです。今後もこのような研究活動を継続し消化器病学の発展に貢献して参ります。
下記リンクより原文をご覧いただけます。
https://www.cghjournal.org/article/S1542-3565(22)01010-2/fulltext