2014年10月に旧駿河台日本大学病院から日本大学病院に移転、新規開院してから、早いもので、丸3年が経ちました。この移転にともない、導入されました最新式ハイブリット手術室でTAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)が、昨年4月6日に、初症例が無事に成功し、その後この一年で、順調に症例を重ね、これまで14例の症例すべてにおいて良好な成績を収めております。
ハイブリット手術室
大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症は、日本における65歳以上の2~3%が罹患しており、潜在患者数は65万~100万人と推定されています。最もよくみられる弁膜疾患であり、年々増加傾向にある大動脈弁狭窄症に対する治療は、高齢化が進む日本において、重要な課題となっています。
大動脈弁狭窄症は、いったん症状が発現すると急速に進行すると言われており、狭心症、失神、心不全などの症状発現後の2年生存率は50%であるとの報告もある恐ろしい疾患です。
TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置)
TAVIは経カテーテル的に大動脈弁を留置する新しい方法であり、胸骨切開や大動脈遮断、大動脈切開、人工心肺を必要としない極めて低侵襲な方法であり、いままで外科手術では治療が難しかった、90歳代のご高齢の患者さんでも、無理なく1週間ほどの入院で治療ができるようになりました。
日本大学病院では、最新型のハイブリット手術室が導入され、TAVI以外にもEVAR(腹部大動脈瘤ステント治療)、TEVAR(胸部大動脈瘤ステント治療)、その他さまざまな高度な医療を迅速に、効率よく、行っております。
今後も様々な最新治療をいち早く導入することを目指して、高度な医療を推進してまいりたいと考えております。
今後とも日本大学病院循環器病センターをよろしくお願いいたします。