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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2018年4月号

今回は当院の大動脈弁狭窄症の治療に関してお話させて頂きます。
国立社会保障・人口問題研究所の平成18年12月推計による将来推計人口では2055年までの人口に対しての心不全患者の割合の推測が報告されておりますが、これによると人口は2055年で9000万人弱と現在より大幅に減少し、75歳以上の方が26.5%(2015年は13.5%)と増加し、しかも心不全の人口は120万人と現在と同様で減少しないとされています。また日本大学板橋病院を中心とした心不全のワーキンググループによる日本大学関連施設(当院も含まれる)の心不全入院患者レジストリー(SAKURA AHFS Registry)では、80歳以上の方の入院が全体の37%であり、80歳未満と80歳以上の方の急性期死亡率は3.1%VS6.9%で80歳以上の方の死亡率が高く、中でも弁膜症による死亡率は80歳未満の方が2.7%、80歳以上の方が7.8%と約3倍でした。とりわけ大動脈弁狭窄症の死亡率は10%と大動脈弁狭窄症以外の弁膜症の死亡率7.3%より高率でした。80歳以上の方の心不全は80歳未満の方の心不全の原因と比べて弁膜症の割合が高くなっており(80歳以上vs80歳未満:36%vs19%)、中でも大動脈弁狭窄症の割合が増加しています。高齢者の心不全の急性期死亡は大動脈弁狭窄症による心不全をどのようにマネージメントしていくかを考えさせられるデータでした。
 大動脈弁狭窄症は自覚症状(心不全、狭心症、失神など)が出現すると2年の生存率は50%と言われます。また重症大動脈弁狭窄症の5年生存率は胃癌、肺癌などの疾患と同程度と言われており症状が発現した後の生命予後は極めて不良です。このため以前より大動脈弁狭窄症治療のために外科的大動脈弁置換術が施行されてきました。しかし前述のように大動脈弁狭窄症は80歳以上の高齢者に多く、また冠動脈バイパス術後や慢性閉塞性肺疾患の既往など外科手術のリスクの高い方は大動脈弁狭窄症の手術の適応があっても手術を行えない事がたびたび見られました。これを払拭すべく経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI: Trans catheter Aortic Valve Implantation)が本邦でも2013年に保険適応になり当院でも2015年10月にTAVI施設認定を取得しHeart team(心臓血管外科専門医、循環器専門医、日本インターベンション治療学会専門医、麻酔科医、臨床工学士、看護師など)を結成し、日々TAVI症例のカンファレンスを行い、より良い治療が大動脈弁狭窄症の患者様に提供できるよう切磋琢磨しております。TAVI治療後の患者様の経過観察や大動脈弁狭窄症を疑われる患者様(心雑音などで疑われる方)に対して、当院の循環器内科の第1週と第3週、第5週の土曜日に大動脈弁外来を行い、適切な内服加療の継続や今後の加療、検査の計画などなるべく患者様に適した方法をとれるような体制を整えております。先生方で大動脈狭窄症が疑われるような心雑音をお持ちの患者様がいらしたら、もう高齢だから治療はできなくても仕方がないとあきらめてしまう前に一度ご相談していただけたらと思います。

循環器病センター

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