2023年4月1日より日本大学病院・CCU医長を拝命いたしました八木司と申します。わたくしは、循環器専門医、救急科専門医、集中治療専門医として、循環器救急医療に長年従事してまいりました。この度、CCU医長に就任するにあたり、当院のCCUについてご紹介いたします。
当院のCCUは1978年に活動を開始した東京都CCUネットワークに当初から参加しております。東京都CCUネットワークは、東京都で発生した急性心筋梗塞患者を早期にCoronary Care Unit (CCU)へ収容し、その死亡率を減少させることが目標でありました。発足から40年以上経過した現在は、「心不全パンデミック」と言われる高齢者の心不全患者の増加に対応するため、Cardiac Care Unit (CCU)に進展しております。
当院のCCUは救命救急センター内に設置されており、循環器内科、救急科、心臓血管外科の協力のもと、迅速に呼吸管理、機械的補助循環、カテーテル検査治療、緊急手術などに対応しております。具体的な治療としては、非侵襲的陽圧換気(NPPV)、気管挿管による人工呼吸器管理、補助循環として、大動脈内バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助装置(PCPS)、補助循環用ポンプカテーテル(Impella)などを用いて、急性心筋梗塞や心不全治療を行っております。薬物療法についても「fantastic four」と呼ばれる内服薬を中心に導入しております。さらに、心臓リハビリテーションもCCU入院中から行い、ADLを落とさずに早期退院を目指しております。
当院循環器病センターでは、多彩な非侵襲的モダリティーを用い、心不全の原因を明らかにし、必要に応じてカテーテル治療や外科的手術まで行うことができます。退院後は、近隣の医療機関の先生方と協力し、定期的な内服薬はかかりつけ医で処方していただき、心血管系検査や心臓リハビリテーションは当院で行い、先生方と連携して慢性期の管理をすることを目指しております(図)。
当院へご紹介いただく際は、先生方から当院医療連携室(03-3293-1741)へご連絡いただきますと、循環器内科の担当医へ連絡が入るシステムとなってございます。救急症例については迅速な対応を目指しており、365日24時間可能な限り救急対応、緊急カテーテル検査などを行う体制を整えております。至らぬ点もあるかと存じますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。