2023年4月1日より日本大学病院・生理機能検査室長を拝命いたしました黒沼圭一郎と申します。生理機能検査室では、循環器疾患の診断・治療に欠かせない12誘導心電図検査をはじめ、ホルター心電図、心臓超音波検査(心エコー)、血管超音波検査、心肺運動負荷試験(CPX)、さらには呼吸機能検査や脈波伝播速度、血管内皮機能検査などの検査を行っております。できる限り予約待ち日数を短縮し、円滑な診療を進めるよう取り組んでいます。各種検査を必要とする患者さんがいらっしゃいましたら、医療連携室(03-3293-1741)までご連絡ください。
また当院では、心臓病の早期発見と的確な診断、治療に向けて、充実した心臓画像診断装置を備えております。320列心臓CT装置、1.5テスラと3テスラの心臓MRI装置、心臓専用半導体SPECT装置(D-SPECT)による心筋シンチ、心臓サルコイドーシス診断などに有用なPET-CT装置など、複数の画像診断装置を用い、ひとりひとりの患者さんにとって最適な、迅速かつ高性能な画像診断を提供し、外来、入院診療、病診連携をサポートしております。
さらに当院では、入院と外来どちらも、心臓リハビリテーションを積極的に行っております。心臓リハビリテーションは、運動療法のみならず、生活指導や禁煙指導など、包括的な管理を行うことで、心不全の再入院を減らし患者さんの健康に寄与できるよう努力をしております。狭心症や心臓手術後の患者さん、または慢性心不全の患者さんは保険適応となりますので、心臓リハビリテーションを希望される方がいらっしゃいましたら、医療連携室(03-3293-1741)までご連絡いただければ幸いです。慢性心不全の場合はLVEFが40%以下、BNPが80pg/mLまたはNT-proBNPが400 pg/mL以上、当院の生理機能検査室で行っているCPXによって得られる最高酸素摂取量(peak VO2)が標準値の80%以下、のいずれかを満たす場合に心臓リハビリテーションの保険適応となっております。階段や坂道を歩いて息切れや動悸のある方がPeak VO2 80%以下と言われております。CPXは検者または被検者の主観で中止されるため、Peak VO2は客観性に欠けますが、簡単に得られる指標であり、予後と相関することが分かっています。 ご紹介いただいた連携施設の患者さんと関係者の方々にとって、より良い環境を目指しておりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。