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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2023年1月号

超音波診断装置の進歩による診断能の向上

医療機器の進歩に伴い医療レベルも向上していますが、これは超音波診断装置にもあてはまり、最近の超音波診断装置の進歩には目を見張るものがあります。新技術の導入により計算処理が高速化したことで超音波検査の特徴である分解能の高さがさらに引き伸ばされているのが特徴となっています。最新の超音波診断装置には画面全体に焦点を合わせることを可能とするフルフォーカス機能やリアルタイムの自動ゲイン調整機能が備わっており、今まで以上に綺麗な超音波画像(B-mode画像)が得られるようになっています。このような基本機能の向上により、超音波診断精度の上昇が期待されています。更には、高感度ドプラ検査による微細血流の評価、share wave elastographyを用いた肝線維化診断、磁気センサー対応装置を用いた超音波とMRI画像/CT画像の統合画像参照、そして造影超音波検査による血流動態評価といった様々な手法を組み合わせることでより精密な評価が可能となっています。近年では超音波減衰法による肝脂肪化定量が可能となり、今までは主観的な評価のみで行ってきた脂肪肝の診断を客観的に行うことが可能になってきています。脂肪肝の診断のみならず、数値で脂肪肝の進行度を把握することで、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)診断への有用性が期待されています。

当院の超音波室には最新の超音波機器が導入されており、上に述べた機能を通常診療で使用しています。肝腫瘤診断においては積極的に造影超音波検査を施行しており、場合によってはCT検査/MRI検査を併用した統合画像診断を行い、適切な診断を心がけています。超音波検査はスクリーニング検査というイメージが強いかもしれませんが、当院では精密検査としての超音波検査を常日頃行っており、超音波診断がそのまま最終診断となることも少なくありません。

超音波検査は低侵襲で、簡便な数多くの情報を取得できる画像診断です。また、その活用の仕方でより詳細かつ精密な病態評価も可能な時代となっております。もし、診断に苦慮する症例を認めた際には是非、当消化器病センター・超音波室をお役立ていただければと存じます。


 

超音波減衰法による肝脂肪化定量

フルフォーカス機能を用いたB-mode画像

消化器病センター

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