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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2023年4月号

2022年12月より日本大学病院に赴任致しました心臓血管外科の大場正直です。


1997年に高知医科大学を卒業後、同大学院に入学して心臓移植における移植免疫の研究をして学位を取得しました。その後は、千葉県循環器病センターおよび湘南鎌倉総合病院などで心臓血管外科の基礎を学んだ後、再び千葉県循環器病センターに戻って本格的に心臓血管外科のキャリアをスタートさせました。同病院時代には後天性、先天性および血管疾患の手術に携わり、後天性グループでは主に冠動脈バイパス術、僧帽弁形成術および大動脈解離の緊急手術の経験を積みました。また、主に僧帽弁手術に付随する心房細動におけるMaze手術も多く経験し良好な成績を得ました。大動脈弁狭窄症に対しては循環器科と共同でTAVI手術を行い良好な成績を得ました。


先天性グループではJatene手術、Double switch手術、Rastelli手術、Ross手術、Norwood手術、Fontan型手術(TCPC)などの複雑心奇形の手術に携わりました。またこれらの経験から中国広州市の広東省人民病院とも交流を持つこととなり、中国の心臓外科医および小児科医が見学に訪れたり、我々が中国での手術に参加することもありました。成人先天性心疾患にも多く関わり、中国からの症例を受け入れることもありました。血管グループでは主にTEA(血栓内膜摘除術)、F-P bypass、急性動脈閉塞に対する血栓除去術および静脈瘤手術に携わりました。4月からは石井医師から静脈瘤に手術を引き継いで行っていこうと考えています。


2017年には湘南鎌倉総合病院時代に苦楽を共にした田中正史先生(日本大学心臓血管外科学教授)に誘っていただき、川口市立医療センターでの心臓外科立ち上げに携わりました。ゼロの状態からの立ち上げは非常に困難を極め、教授をはじめ多くのスタッフによる協力のおかげで何とか挫折することなく、定期的に手術を行える状態となり、徐々に症例数を増やすことが出来るようになりました。その後は、2020年8月より東京臨海病院に移り、まずは冠動脈バイパス術、弁膜症手術および大動脈瘤の手術を定期的に行いました。徐々にチームが成熟してきたところで、急性大動脈解離等の緊急手術も開始し、良好な成績を得ました。


今回、日本大学病院赴任にあたり、田岡医師と協力して心臓血管外科の体制を盤石なものにできるよう努力していこうと考えています。周囲には多くの大学病院が連立しておりますが、当院は千代田区で唯一の3次医療を提供できる施設であり、急性大動脈解離等の緊急手術に対応していくことが必要と考えています。また近隣の施設との連携も必要で、相談のしやすい関係を構築していかなければならないと考えています。


末梢血管疾患に関しては、引き続きラジオ波(血管内焼灼術)を使った静脈瘤手術を行ってまいりますが、グルーを使った血管内塞栓術も行っていこうと考えています。後者は焼灼後血栓の発生がない、静脈炎を起こしにくい、神経損傷を起こしにくいと等の長所があり、最近注目されている新しい治療法です。


フットケア外来では糖尿病や喫煙が原因で起こる下肢動脈疾患(LEAD)における足先の潰瘍等の治療も認定看護師と協力して積極的に行ってまいります。LEADの方は全身性に血管疾患を有することが多いため、定期的に心疾患や頸動脈病変を検査していき、問題があれば速やかに対応してまいります。


当院の特色を作り上げていき症例を増やしつつ良好な成績を維持できるようにしてまいります。

循環器病センター

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