2023年4月より日本大学病院循環器内科に赴任致しました、磯一貴と申します。
私は2010年に日本大学を卒業し、日本大学医学部附属板橋病院で初期臨床研修を始めました。そこで当医局の現主任教授であります奥村恭男先生と、准教授である永嶋孝一先生に出会いました。当時助教であった奥村先生は、一見厳しくて怖い印象を受けましたが、その根底にある日本大学への誇りと、後輩への愛情が深いことを感じ、大変感銘を受けたことを覚えております。さらに、永嶋先生には当直中の忙しい中、心電図や不整脈診療の魅力を丁寧に教えていただき、学生の頃より循環器に興味があった私は、迷うことなく母校の循環器内科に入局することを決めました。その想いのまま日本大学大学院に入学し、不整脈医として道を歩み始めました。そこで当時臨床教授でありました渡邊一郎先生を筆頭に、奥村先生、永嶋先生のご指導のもと、研鑽を積んで参りました。4年間で多くのことを学ばせていただき、Heart RhythmやCirculation EPなどの一流英文雑誌にも論文発表ができたことは私の誇りです。
2017年には当医局の関連施設であります川口市立医療センターに、カテーテルアブレーションの立ち上げ責任者として出向いたしました。当初は重責に応えられるか不安でしたが、上司やコメディカルの方々に支えられ、最初は月に1件から始まったアブレーションは、今では年に100件前後行える環境にまでなりました。
これらの経験、実績を評価していただき、この度日本大学病院での不整脈診療業務を拝命いたしました。日本大学病院には古くから不整脈診療部門を牽引し、支えてきた横山勝章先生がおられ、共に不整脈業務に携われる日を非常に楽しみにしておりました。豊富な経験を持つ横山先生から学びつつ、同時に自身の経験を活かして日本大学病院に来られる患者さんやご紹介いただいているかかりつけ医の先生方へ還元できるよう、鋭意努めて参る所存です。
また、同時にペースメーカをはじめとしたデバイス外来の担当医も拝命いたしました。心臓植え込み型デバイスは昨今、遠隔モニタリングが注目されており、インターネット環境を利用し、病院に来院しなくてもデバイスの不具合や致死性不整脈の出現、心不全の増悪などが把握できるようになる可能性があります。このような最先端の技術を用いて、患者さんやその家族、実地医家の先生方が安心できるような環境づくりができるよう日々邁進してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。