慢性膵炎は膵臓の組織がゆっくりと破壊されて生じる疾患で、反復する上腹部痛、背部痛、消化不良、下痢、体重減少などの症状がみられます。慢性膵炎の原因の半数以上がアルコール性で、他に特発性、遺伝性、家族性もみられます。膵全体にびまん性の石灰化を認めることや、膵管内に結石を認めることで診断できます。慢性膵炎は進行性で非可逆性の経過をたどるため、診断早期からアルコールなどの原因の除去、食事療法などが重要です。近年は、早期慢性膵炎という概念が定義され、超音波内視鏡による画像所見が診断項目となっており、早期診断することで早めに治療介入し進行を食い止めることができます。
慢性膵炎