主に肝炎ウイルスの感染により急性の肝障害を呈する病気です。
症状:発熱、感冒症状、倦怠感、皮膚黄染、褐色尿、嘔気、腹痛など
原因:肝炎ウイルス(A型、B型、C型、E型)
検査:血液検査で判明することが多いです。ビリルビン、AST、ALTなどの肝酵素が上昇します。腹部超音波や腹部CT検査では肝臓腫大や、肝臓の炎症波及に伴う胆嚢萎縮、胆嚢壁肥厚などを認めます。画像検査で閉塞性黄疸は除外される必要があります。
治療法:基本的には安静加療で改善します。臥床安静により肝臓の血流が豊富になり、肝障害の改善を促します。症状が強く、肝障害が重度の場合は安静・経過観察目的の入院加療を提案します。肝障害の改善には時間がかかり、入院期間は2-4週間程度かかります。一部の症例では急性肝不全に移行する場合もあります。その場合血漿交換と血液濾過透析を併用した人工肝補助療法のため救命センターでの加療、もしくは肝移植施行可能な施設への紹介も検討します。自覚症状が乏しくても、急性肝不全のリスクがある場合は医師から入院の必要性が説明されますのでご理解ください。
当院では:急性肝炎で入院された患者様は血液検査だけではなく、腹部超音波を用いて肝硬度測定や胆嚢壁の評価を繰り返し行うことで、重症化リスクの判定を行っています。