『ラニチジン塩酸塩』の自主回収の対応について
胃酸分泌抑制薬H2ブロッカーのラニチジン塩酸塩【先発医薬品名:ザンタック】について,厚生労働省より海外において発がん性の可能性があるとされるN-ニトロソジメチルアミン(以下,NDMA)が,微量に検出がされたことを受けまして,販売している全製薬会社が,患者さまに処方されている薬も含め,全て自主回収を行う旨,発表がありました。
お手持ちのお薬やお薬手帳を確認していただき,下記に記載した回収の対象となっている医薬品がございましたら,自己判断によって服用を中止することはせずにお薬を調剤・処方された保険薬局,処方医にご相談いただきますようお願いいたします。
[回収対象医薬品一覧 ]
表は左右にスクロールできます
ザンタック錠75 | ザンタック錠150 | ラニチジン錠75mg「YD」 | ラニチジン錠150mg「YD」 |
ラニチジン錠75mg「ツルハラ」 | ラニチジン錠150mg「ツルハラ」 | ラニチジン錠75mg「KN」 | ラニチジン錠150mg「KN」 |
ラニチジン錠75mg「JG」 | ラニチジン錠150mg「JG」 | ラニチジン錠75mg「サワイ」 | ラニチジン錠150mg「サワイ」 |
ラニチジン錠75mg「タイヨー」 | ラニチジン錠150mg「タイヨー」 | ラニチジン錠75mg「トーワ」 | ラニチジン錠150mg「トーワ」 |
ラニチジン錠75mg「マイラン」 | ラニチジン錠150mg「マイラン」 | ラニチジン錠75mg「日医工」 | ラニチジン錠150mg「日医工」 |
注射薬に関しましては,当院では限定的にラニチジン注射液50mg「タイヨー」を使用しておりましたが,既に処方は停止しており別の薬剤に変更して対応しております。
<NDMAの影響について>
N-ニトロソジメチルアミンの略称で,発がん性が確認された環境汚染物質です。色々な産業の製造工程で発生したり,自然条件のもとでも発生する可能性があり,飲料水や肉,野菜,乳製品からも検出されている物質です。製品を長く販売している先発メーカーにおいても1981年以降に収集した動物におけるデータ,公表されている文献及び入手している臨床における安全性情報を含め,すべての情報を包括的に確認し,安全性に関するモニタリングを定期的に実施してきておりますが,これまで発がん性との関連は確認されておりません。
回収にともなう費用負担について
現在服用中のラニチジン錠の回収および代替医薬品の処方については,診察料を含め回収費用を製薬会社が負担します。ただし,製薬会社の費用負担には以下の条件がございます。
① 現在ラニチジン錠を継続服用中で,手元にラニチジン錠の残薬をお持ちの患者さまが対象です。
(手元にラニチジン錠をお持ちでも,現時点で継続服用をしていなければ対象外です。)
② ①に該当する方は,患者さまご自身が当院の診察を受け(※),手持ちのラニチジン錠の残薬相当分の代替医薬品の処方および領収書を受け取ってください。
(★一時的に患者さまの費用負担が発生します。病院窓口では返金はされません。)
③ 患者さまご自身が,お手持ちのラニチジン錠を販売している製薬会社のホームページをご確認の上,「ラニチジン錠専用ダイアル」に連絡して返金の手続きをしていただく必要があります。
(どこの製薬会社か不明の場合は,調剤された保険薬局へお問い合わせください。)