当院の９Ａ病棟で発生した新型コロナウイルス感染症の現況と私どもの対応をご報告いたします。発生から現在まで，患者さん１３名，医師１名，看護師など１５名の感染を確認しています。ただし，私どもが初めての陽性者を確認し，対応を始めた１２月３日以降に感染したと考えられる方は確認されておりません。クラスターの抑止には最短でも２週間ほどかかると考えられ，本日でその２週間となりますが，気を引き締めて患者さんの治療にあたるとともに，感染防止と平常診療の維持に努めます。

全国的な感染拡大の影響により，上記の病棟とは関連のない患者さんの発熱などが散発的にみられますので，次の事項について再度ご協力をお願いいたします。

１　９Ａ病棟からの退院について

入院の契機となった疾患が安定し，感染者の確認後１０日以上経過した方や検査結果が陰性となった患者さんは，医師の診察後に退院頂きたく，ご協力をお願いします。

２　当院への入院患者さんへの対応について

今月２１日以降の外来で入院予定が組まれた皆様にはＰＣＲ検査を，緊急あるいは当日入院の方には，抗原検査とCT検査を受けて頂きます。ご要望の皆様にも順次検査いたします。都内や近郊の感染状況を踏まえた対応にどうぞご協力ください。また，重症患者の救急応需や人工透析は，しばらくの間，制限させていただきます。

３　外来診療・その他病棟について

ほとんどの外来と病棟は平常通りの診療を行っていますが，体調のすぐれない方々には，積極的にPCR検査などを行います。私どもは地域の先生方への逆紹介を進めており，皆様がご希望の地域の先生がいらっしゃれば紹介状を作成いたします。

私どもは９Ａ病棟の感染症の抑止に引き続き全力を注ぎ，当院をご利用の皆様に安心して頂ける報告ができるように努めます。また，新たなクラスターの発生を防止し，平常診療を運営していく所存です。この間，ご不便をおかけしますが，ご了承のほどお願い申し上げます。

令和２年１２月１６日　　　　　　　　　　日本大学病院病院長　　天　野　康　雄