昨年の１２月初旬に当院で発生した新型コロナウイルス感染症の経過と緊急事態宣言下での私どもの対応をお知らせいたします。

最初に新型コロナウイルス感染症の発生を確認した９Ａ病棟は必要な消毒作業を終え，明日より患者さんの受入れを始めます。これにより，冬季に多い心臓や血管の病気を治療する体制を整えることができます。なお，９Ｂ病棟では，すでに新たな入院患者さんを受入れしています。また，１１Ａ病棟における新型コロナウイルス感染症も抑止できており，保健所と連携して再開に向けて準備しています。

当院における新型コロナウイルス感染症は収束に向かっていますが，東京都と近隣３県には緊急事態宣言が発出されました。新型コロナウイルス感染症によりご逝去された方，病室で新型コロナウイルス感染症と闘っている患者さん，退院が延期となった方，PCR検査を複数回受けていただいた方々がいらっしゃいます。このような現況と自省のもと，私どもより皆様に以下のことについてご協力をお願いいたします。

１　外来受診や検査の患者さんは予約時間１０分前を目安にご来院ください。待合などの３密を避けて，検査室の消毒時間等を確保するためです。

２　引き続き当院は，専門的な治療が終了された方や状態が安定されている患者さんには，逆紹介（近所の医師を紹介）を勧めます。通院時間短縮や３密を回避することができます。

３　緊急事態宣言下において，逆紹介先の見つからない場合，主治医の判断のもとで電話処方や長期処方を行います。

４　以前もご案内しましたように，入院予定の方々は，個室又は２人部屋のご利用をお勧めいたします。有償になりますが，大部屋よりも個室の感染リスクは低いとされています。

当院では病棟の再開が進み，まもなく新規の救急受け入れも開始する予定です。例年であれば，ここに新年を迎え皆様にご挨拶と当院の本年の目標を申し上げるところですが，緊急事態宣言下でもあり，現状としては，当院の基本姿勢は変わらず，コロナ禍にあっても日常診療を中心に据えることです。上記の病棟がすべて再開された段階で改めて挨拶申し上げたいと思います。どうぞ本年も日本大学病院をよろしくお願い申し上げます。

令和３年１月８日　　　　　　日本大学病院病院長　　天　野　康　雄