当院では，昨年末及び年始の新型コロナウイルス感染症の発生や非常事態宣言を受けて，３０日の制限を超える長期処方や電話処方を施行しました。１月中旬には院内の感染症が収束し，このたび緊急事態宣言が解除されたことから，長期処方と電話処方は３月３１日をもって停止します。

院内感染の収束直後から，当院には，くも膜下出血や大動脈瘤破裂などの緊急重症患者さんが再び搬送されるようになりました。近隣の大病院から悪性腫瘍の患者さんが紹介されています。また，受診抑制の間に病気が進行してしまった患者さんも拝見しました。私どもは上記の疾患に対応できる専門医が在籍しており，これらのスタッフが皆様を直接診察し治療することが医療の基本です。電話処方などにも便利な点があることは承知していますが，ご理解頂きたいと思います。

それでも，当院での専門治療がほぼ終わり症状が安定されている患者さんの中には，通院や当院の混雑に懸念をもたれる方もいらっしゃると思います。都内の新規感染者数も高止まりです。私どもは皆様の居住地近隣や勤務先近くの，信頼できる医師を紹介（逆紹介）させて頂きます。逆紹介は，医療機関の間で役割を分かち合う国の方針にも合うものです。また，通院中の皆様には，院内の３密を作らないように予約時間の１５分前のご来院をお願いします。このことは，すでに館内放送でもご協力を呼びかけています。入院予定の患者さんには，感染防止に有利な個室や二人部屋のご利用をお勧めいたします。

きたる来年度は，コロナに負けない“安全な環境”で“納得のいく治療”を皆様と分かち合うことを当院の目標といたします。どうか引き続き日本大学病院を宜しくお願いいたします。

令和３年３月１９日　　病院長　天　野　康　雄