日本大学病院に通院中や入院中の患者さん，来院予定の方々，患者さんをご紹介いただいています地域の先生方には，感謝申し上げます。今年も当院は理念である“病院は病者のためにある”，すなわち“患者さんが納得のいく治療を行い，患者さんを日常へ戻すこと”を継続します。そのために以下の４点を推進します。

１　新型コロナ感染症の防止

昨年は，皆様の感染防止へのご協力，職員の感染対策およびワクチン接種の推進により，院内感染を抑えることができました。感染防止は日常診療の前提条件です。３回目のブースター接種，職員の感染症教育および千代田区民や近隣の皆様のコロナ診療を通じて，今年も感染症の防止や拡大の抑止に努めます。

２　医療連携・地域支援のさらなる推進

私は昨夏より，紹介医の皆様からの緊急要請に応需する全権を医療連携室に委任しました。先生方が安心して患者さんの診療にあたるには，緊急例の受け皿が必要です。それは多くの医療職を擁する当院の役割です。一方で，私達は主な治療の終了した患者さんを，お住まいや仕事場近くの先生達に紹介します。専門治療を行う病院と地域密着型の開業医の役割をともに十分発揮するためです。当院おかかりの皆様にはご理解のほどお願いします。

３　重症・専門診療への注力

昨年はクラスター発生を抑止し，脳出血，食道癌・胃癌，心筋梗塞や重症不整脈，眼科や耳鼻咽喉科の急性疾患および骨折などの治療に大きく貢献しました。本年もスタッフの専門分野を十分に活かし，重症疾患の診療，高度救急疾患，がん診療に注力します。

４　女性診療の充実

当院はこれまでも４階の健診センターと乳腺・内分泌外科，婦人科の外来で，女性の健康に留意する診療を行ってきました。さらに今年は入院でも，８階病棟を“女性優先病棟”として乳腺疾患や婦人科疾患を持つ皆様を集中的に診療・ケアしてまいります。

昨年末は大学事業の関連で皆様にご心配をおかけしました。本件は当院と全く無関係ということはありませんが，目の前の患者さんと紹介医の皆様の便宜を第一に考えて診療している現場スタッフの熱意と真摯な姿勢には全く影響しておりません。私達は今後とも“患者さんが納得のいく治療を行い，患者さんを日常へ戻す”ことを継続します。どうぞ本年も日本大学病院をよろしくお願い申し上げます。

令和４年１月５日　　　病院長　　天野康雄