2024年11月21日から開催されました日本臨床外科学会学術集会で発表して参りました。
「胃癌腹膜播種治療における最新の進歩と課題」をテーマにしたInternational sessionで、当院での胃癌腹膜播種患者に対する治療成績、化学療法奏効後の手術に関する注意点などを発表致しました。
このセッションはシンガポール、中華人民共和国、韓国、アメリカ、そして日本から小生を含めて2名の演者で、最新の治療戦略、基礎的な知見について共有することが出来る良い機会でした。
胃癌腹膜播種に対しては全身化学療法だけではなく、腹膜を標的とした治療の追加が必要であるという認識を多くの先生が持たれている現状がよく分かりました。
保険診療下では行えず自由診療となってしまいますが、当院では希望される患者さんを対象にパクリタキセル腹腔内投与併用化学療法を行える体制をとっており、これまでに36名の患者さんの治療を行ってきております。
非常に高度の腹膜転移の場合には十分な奏効が得られずに経過することもありますが、軽度の場合には良好な成績が得られております。
腹膜播種は、胃癌の遠隔転移として最も多く、根治切除後の再発形式としても最多です。
今後も多くの患者に貢献できるように、治療に積極的に取り組んで参ります。