呼吸器外科診療の現在
いつも当院に患者さんをご紹介いただき誠にありがとうございます。
日本胸部外科学会は心臓血管・呼吸器・食道 3分野の外科系基礎学会で、学会誌である
General Thoracic and Cardiovascular Surgeryにて毎年Annual reportが報告されています。(General Thoracic and Cardiovascular Surgery https://doi.org/10.1007/s11748-025-02128-z)
この報告で示されているように、これまで日本の呼吸器外科手術件数は増え続けており(図1:2020年COVID-19流行時は一旦減少したがその後は再度増加傾向)、この先も日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに減少へ転じていますが、主疾患である原発性肺癌は高齢者の病気であるため、高齢化が進行する我が国では、引き続き呼吸器外科手術症例は増加することが予想されています。
また、このAnnual reportでは2023年の原発性肺癌手術47659例のうち、77%が臨床病期I期と報告されており、早期発見が大変重要となってきます。2020年のCOVID-19流行時に原発性肺癌手術件数が減少した理由の主因は、肺がん検診受診者が減少し診断数が減少したためと考えられていますが、COVID-19の流行がある程度落ち着いた現在も原発性肺癌の手術件数がCOVID-19流行以前と同程度の増加傾向までには回復していないことから、がん検診の受診控えをされている患者さんが一定数おられると考えられています。
がん検診受診を控えている患者さんがおられましたら、是非がん検診受診を勧めていただければと思います。(肺がん検診では胸部レントゲン検査を1年に1回行うことが強く推奨されています。)
当科では原則として初診の予約をお願いしておりますが、予約なしでも紹介状を持参いただけましたら、当日の診察にも柔軟に対応させていただきます。
「すべては患者さんの利益のために」をモットーとし、地域の医療連携医の先生方と協力して、患者さん一人一人に最善の医療を提供できるよう努めてまいりますので何卒よろしくお願い申し上げます。