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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2015年9月号

 高齢者の人々が抱える膝関節痛。その代表的な疾患が変形性膝関節症で、厚生省の調査では国内に3,000万人もの患者さんがいると推定されています。関節の変形が大きい患者さんには手術療法が選択され、その手術療法のひとつ人工膝関節置換術は毎年8万件以上行われています。

 ところで、人工膝関節置換術には人工膝関節全置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)と人工膝単顆置換術(UKA:Unicompartmental Knee Arthroplasty)という2種類の術式があることをご存知でしょうか?今回はそのひとつ、UKAについてご説明したいと思います。 人工膝関節置換術とは、変形性関節症、骨壊死、関節リウマチなどで変形した膝関節の表面を取り除き、人工のインプラントで関節を形成する手術方法です。膝関節は大腿骨、脛骨そして膝蓋骨で構成されており、大腿骨-脛骨間の内側・外側(大腿脛骨関節)と大腿骨-膝蓋骨間(膝蓋大腿関節)の計3ヶ所に関節があります。一般的に人工膝関節置換術としてよく知られているのは全置換術で、これは3つの関節すべて、または膝蓋大腿関節を除く内・外両側の大腿脛骨関節を人工関節に換えるものです。それに対し、3つの関節のうち内側か外側の1ヶ所だけを人工関節に置き換える手術がUKAです。UKAは、TKAと比べて骨の切除量が少いため、手術の侵襲も小さくてすみます。また、膝関節内の靭帯を温存することができるなど、身体への負担を軽減しスムーズなリハビリテーションにより早期の回復をはかることも期待できます。

 では、どんな方が単顆置換術に向いているのでしょうか? 目安としては以下のような条件が挙げられます。・膝の完全伸展が可能、・内側または外側一方のみに症状がある、・関節リウマチでない、・膝関節の靭帯に異常がない、・高度の肥満ではない。これらすべてに該当する方はUKAに適応していると考えられます。薬や注射などの保存的療法で膝の症状が改善されない場合、手術は有効な選択肢のひとつであり、その代表的な手術法が人工膝関節置換術です。なかでも、身体への負担が少ないUKAは、患者さんの立場からみれば比較的決断しやすい手術法ではないでしょうか。当院でも2003年よりUKAを導入し昨年度までに約350例のUKAを施行し良好な臨床成績が得られております。レントゲン上は比較的軽度の変形性関節症でも、痛みが強い例や関節水腫を繰り返す例など日常診療で治療に難渋する場合には、当院関節診にご紹介下さい。

 選択肢の多い段階でご紹介いただければ患者さんにとってより最善の治療法が選択できるのではと考えております。

整形外科センター

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