昨年4月から本年3月までアメリカのコロンビア大学に留学させていただき、4月より医局長を務めることになりました。事務的な点は、私が窓口になりますので何なりとお申し付けください。
アメリカの疾患構造は、多人種ということもあり、様々な感染症・遺伝性疾患があり大変勉強になりました。特にYannuzzi先生とFreund先生のケースカンファレンスは毎回、喧々諤々の議論があり、当科の金曜日に行われているスライドカンファレンスととても似ておりました。その中で、今回は最近話題のPachychoroid neovasculopathy(PNV)について少しご紹介します。この疾患概念はFreundらが提唱したもので、CSC(中心性漿液性脈絡網膜症)のようにPachy(厚い)choroid(脈絡膜)があり、ドルーゼンがない症例から脈絡膜新生血管(CNV)が生じたものとしています。典型的なポリープ状脈絡膜血管症は、この疾患概念の範疇に入るものと考えられています。
実臨床でもCSCとこのPNVの鑑別には苦労することが多いです。先日も40代の男性が黄斑部の漿液性網膜剥離を来していることからCSCとしてご紹介いただきました。型通り造影検査を施行しましたが、明らかなCNVはなく、ベルテポルフィン半量光線力学療法を予定いたしました。ここでOCTアンジオグラフィーが真価を発揮いたします。念のためOCTアンジオグラフィーで撮影してみますと、明らかなCNVが認められました。抗VEGF薬投与に治療を切り替えて事なきを得ました。このようにCSCのように見えて、実はCNVがある例が見受けられます。治療法が異なるため、鑑別が今後重要になると思われます。当院ではOCTアンジオグラフィーを用いて鑑別することで適切な加療が可能です。鑑別に迷われている症例がありましたら、是非ご紹介ください。
[カラー、ICGAでははっきりしないがOCTアンジオグラフィーでは明らかなCNVが・・・]
ご案内 第124回日大眼科症例検討会 平成29年9月21日(木)18:30~ 日本大学病院5階大会議室(予定) 特別講演「難症例白内障手術に対する手術戦略」 獨協医科大学病院眼科 准教授 松島 博之先生 |