2014年10月に現在の日本大学病院が開院してから約3年が経とうとしています。皮膚科は私を含め現在常勤医師2名で,外来診療を中心として,水疱症,膿疱症,乾癬,薬疹,重症感染症などに対する入院治療も行っています。また,大学病院の責務として教育,学会活動,研究にも力を入れ,より良い医療を行えるよう日々努力を重ねております。
当院では通常診療に加え,腫瘍外来,光線外来,アレルギー外来,レーザー外来を専門外来として設けており,それぞれ担当医師が専属して治療・検査にあたります。
腫瘍外来では粉瘤・脂肪腫などの良性腫瘍から,悪性黒色腫を初めとする皮膚悪性腫瘍の診断,治療を行っており,ダーモスコピー,超音波検査,PET-CTなど各種画像検査が診断に威力を発揮します。治療では多くの経験を持つ医師が執刀し,皮弁形成術,皮膚移植,人工真皮を用いた欠損創の治療も行います。
光線外来では乾癬・皮膚リンパ腫・アトピー性皮膚炎などに対するNarrow band UVBをはじめとした紫外線治療を中心に,光線過敏性試験も行います。
アレルギー外来ではIgE RAST,DLSTなどの血液検査,金属パッチテスト,Prick test,内服誘発試験などの手法を用いて薬疹,金属アレルギー,接触皮膚炎などの疾患でアレルゲンの検索・特定を行います。
レーザー外来はQスイッチルビーレーザー,アレクサンドライトレーザーを用いた老人性色素斑の自費診療も行っています。
入院治療ではステロイド抵抗性の自己免疫性水疱症に対する血漿交換療法,免疫グロブリン大量静脈内投与などが保険適応として認められ,治療に効果を発揮します。乾癬に対しては多くの生物学的製剤が使用可能となり,よりQOLの高い生活を目指した治療が可能となってきています。難治性の特発性蕁麻疹では抗IgEモノクローナル抗体であるオマリズマブなども使用されるようになってきました。
日進月歩の医学の発展は留まるところを知りません。私たちは常に最新の情報を手に入れ,より新しく,よりその患者様に有益である治療法を考えながら診療を行わなければならないと志しております。