fukushima.masamichi@nihon-u.ac.jp
日本大学病院 脳神経外科を受診される際に,お役に立つ診療情報として,また信頼して治療を受けていただけるように,得意とする治療方法について御紹介いたします.私どもは新病院になってから,脳神経外科において高難度とされる新規術式の導入を行ってまいりました.それにより,以前であれば治療をあきらめていたより重症例の方にも治療を行えるようになりました.なお外来診療では脳神経外科全般の診療は月~土曜日の午前中に,加えて専門外来を午後に行けてつけております.ご予約の際には参考にしてください.
■脳腫瘍手術:悪性腫瘍と良性腫瘍ともに対応しています.当科では頭蓋底顔面外科(図1)の新規手術の導入を行いました.この領域の手術は脳神経外科の中でも,技術的には困難な術式であるため,事前の準備が大変重要になります.私どもは手術中の電気生理学的神経機能モニタリング,術中ナビゲーション,そして画像解析方法を新たに開発(Flat-panel detector cone beam CT)して,より安全性を高めた頭蓋底手術を実施しています.
■脳血管疾患:脳への動脈が閉塞・狭窄した症例では,頭皮動脈を脳動脈に吻合する従来のバイパス (low flow bypass) では供給できる血流量が少なく,脳細胞を維持することができないことが問題でした.そこで冠動脈バイパス術で用いられる橈骨動脈を採取して,より多くの血流を供給するhigh-flow bypass手術(図2)を開発・実施しました.これにより以前では術後の脳梗塞を防ぐことができるようになりました.この技術は治療困難であった巨大脳動脈瘤の手術に組み合わせる治療法(図3)にも応用しています.また脳梗塞急性期治療では救命センターと協力して,脳卒中A選定の症例を積極的に受け入れる体制を整備し,t-PA急性期血栓溶解療法とカテーテル機械的血栓回収術を実施しています.
■脳神経外科のエキスパート:当科では分野のエキスパートが診療に重視しております.例)脳神経外科専門医・指導医,脳卒中専門医,脳卒中の外科専門医,脳神経血管内治療専門医,神経内視鏡技術認定医,脳神経外傷学術評議委員,がん治療認定医,頭痛専門医・指導医,日本脊髄外科認定医
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