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日本大学病院

医療関係者の方へ
ニュースレター

2017年9月号

私は小児内分泌および小児糖尿病を専門分野としていますので、総合診療センター小児科の中でも、この2つの分野の診療について紹介させて頂きます。


小児内分泌疾患:内分泌疾患というと、難病というイメージを抱かれる方も少なくありませんが、小児における内分泌疾患は決して難病でも珍しい疾患でもありません。最も多く遭遇するのは低身長です。低身長の定義には、「現在の身長が同性・同年齢の平均の-2.0SD(標準偏差)以下である」と、「1年間の身長の伸び(成長率)が急に悪くなった」という2つが含まれます。そして身長を評価するには、SD表示されている成長曲線を用いるのが最も良い方法です。低身長というと内分泌異常、特に成長ホルモンの分泌異常を想像されることが多いと思いますが、低身長の原因は様々であり、その背景に慢性疾患やネグレクトなどの心理社会的要因があることもしばしばで、近年患者様の数が多いのは、在胎週数に比べて出生時の体重、身長が少ないSGA性低身長症と言われる病態です。SGA性低身長症では、成長ホルモンの分泌が正常であっても、3歳以降の身長が-2.5SD未満であれば成長ホルモン治療の適応になります。家族性や体質性低身長で実際成長ホルモン治療の適応にならなくても、食習慣やライフスタイルの改善により身長増加がみられるケースも多いため、様子をみようではなく、一度身長の評価とその原因、適切な治療法を見つけるために外来を紹介受診されることをお勧めします。また甲状腺疾患(先天性甲状腺機能低下症、バセドウ病、橋本病など)、副腎疾患(副腎機能不全症、先天性副腎皮質過形成症など)、2次性徴の異常(2次性徴が早すぎる:思春期早発症、遅すぎる:思春期遅発症など)など、現在全体で500例ほどの内分泌疾患をお持ちの患者様を治療・管理していますので、内分泌疾患のことでお困りの時は、是非紹介、受診して頂ければ幸いです。



糖尿病:糖尿病は、膵臓からのインスリン分泌の欠乏が原因の1型糖尿病と、主に肥満、生活習慣の破綻が原因の2型糖尿病の2つに大別されます。双方の糖尿病とも、当科は最も得意としている分野であり、約250名の患者様を治療・管理しています。1型糖尿病では、所謂1日4~5回ペン型インスリン注入器を用いて注射治療する頻回注射法の他に、現在では約半数の患者様がインスリンポンプによって治療されています。特に保育園や幼稚園に通っている幼小児や思春期以降の患者様では大半がインスリンポンプを使用しています。当科では成人年齢に達しても継続して治療・管理を続けている患者様が決して少なくなく、女性では妊娠前~妊娠管理として全例インスリンポンプを使用し、母児共に良好な成績を挙げています。また持続皮下ブドウ糖濃度測定 (CGM) 付のインスリンポンプを使用する患者様も多数いらっしゃいます。2型糖尿病に関しては、学校検尿・糖尿病検診により早期に発見されたケースが多いですが、清涼飲料水の多飲により急速に増悪するケースもあり、またその数は小児肥満の増加に伴い増加しています。治療・管理では、食事・運動療法のみではどうしも十分な血糖コントロールが出来ない患者様には、適切な薬物療法を導入することにより、1型糖尿病同様に他施設よりもより良い血糖コントロールを達成しています。 以上、簡単に当科における小児内分泌疾患と小児糖尿病の診療について紹介させて頂きましたが、2つの領域について紹介・受診を希望の方は、以下の外来枠で予約頂ければ幸いです。よろしくお願いいたしします。


内科系・外科系診療科

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