平素より整形外科センターに患者さまをご紹介いただき,誠にありがとうございます.
ニュースレターの内容は一月ごとに変わりますが,病院のホームページにこれまでに発行したものが掲載されています.整形外科以外の記事もご覧下さい.
今回は,ばね指の非典型的症例について書かせていただきます.
最近講演などで,ばね指について話す機会が多いためかもしれませんが,典型的ではない症状を呈するばね指をご紹介いただくことがあります.患者様はPIP関節の変形性関節症と診断されていることもあります.ほとんどは中指です.主訴は指の痛みや可動域制限ですが,弾発はありません.PIP関節の伸展障害があり,大抵過伸展を強制すると疼痛が誘発されます.しかし,関節拘縮のように全く伸展できず,疼痛もそれほど訴えない場合もあります.屈曲は制限され,ばね指の弾発が起こる前の屈曲角度です.隣接指も似たような状態で,full gripができないので,OAと間違えやすいのだと思います.MP関節部に圧痛はありますが,典型例のように強くはありません.よくよく聞いて見るとかなり前に弾発があったことを思い出します.これらは,ばね指が急性期を過ぎ陳旧化した症例とみなせます.一般的にばね指軽症例は放置しても治癒することがあるのですが,患者さまが我慢をしているとこのような状態になると考えられます.
指の伸展障害はA2 pulley内で腱腫大部が末梢に移動しないため生じます.
治療は浅指屈筋腱切除術,あるいはA1とA2 pullyの全切離です.局所麻酔下の外来手術で可能です.何れの術式でも関節自体の拘縮があることはまれで,切除あるいは切離直後にPIP関節の伸展が可能となります.
類似の患者さまがいらっしゃいましたら,ご紹介頂ければ幸です.
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また,ホームページでもお知らせしていますが,市民公開講座「健康に暮らそう」シリーズを二ヶ月に一度開催しています.次回は11月25日土曜日循環器内科による「あなたの血管年齢を測定してみませんか?」です.
今後も日本大学病院を宜しくお願い申し上げます.